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チーム医療セッション

概要

第85回日本循環器学会学術集会では、コメディカルスタッフを対象としたセッションを開催致します。
チーム医療に関わるスタッフが中心となる一般演題(口述・ポスター)、シンポジウム、そして専門家による教育講演が行われます。
なお、コメディカル賞審査講演において優秀演題を選定し、表彰致します。

参加資格

チーム医療スタッフ(看護師、保健師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床工学技士、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士、救急救命士、医療ソーシャルワーカー、他)

※演題応募につきましてはすべての方にご応募頂けますが、可能な限り正会員または準会員へのご入会をお願い致します。
正会員または準会員になりますと、コメディカル賞へ応募いただけるようになります。

参加費

9,000円(事前参加登録:7,000円)

※コメディカル職であることの証明書の提示が必要です。

※チーム医療セッション以外の他セッションにもご参加頂けます。


参加登録はこちらから



チーム医療セッションプログラム

教育講演

シンポジウム

1. COVID時代のチーム医療から見た遠隔医療

座長: 岡村 昭彦  奈良県立医科大学 循環器内科

座長の言葉

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は全世界で猛威を振るい、COVID-19によるパンデミックは日々の生活様式だけではなく、医療現場においても大きな変化が求められた。循環器疾患の中でも、大動脈解離、心筋梗塞、脳卒中などは迅速な救急対応が必要であり、治療開始への遅れが、生命予後に直結することも多い。このため各職種が連携して一分一秒でも早く、診断・治療を行うことを目標に患者搬送から治療までチーム医療を行ってきた。また、心不全や心筋梗塞の慢性期においては各職種が密に情報交換を行い、包括的な治療を行っていくことが、予後改善に大きく貢献してきた。しかしコロナウイルス感染下では、感染リスクの懸念があるため、各チームで培われてきたノウハウを活かすことができない事例もみられている。このような状況の改善に向けて改めて注目されているのが遠隔医療である。

COVID-19の蔓延を抑制するために遠隔医療が世界的に採用されており、医療へのアクセスと提供手段に大きな変化をもたらしている。実際に、ソーシャルディスタンスの確保が求められて以降、米国では遠隔診療を導入する機関が急増し、日本でもオンライン診療や遠隔画像診断の再普及、またICTツールを活用した24時間体制の医療システムが新たに導入されてきている。このような新しい医療体系の活用はCOVID時代の医療を遂行するうえで非常に重要であり、さらには今後も起こり得る不測の事態に対応するためにも、新たなシステムの構築が必須である。当シンポジウムでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い一層注目されつつある、遠隔医療のチーム医療における重要性や今後のかかわり方を考える良い機会となることを期待したい。

2. PCIのための心筋虚血評価 ―冠血流予備能の測定に迫る―

座長: 田中 信大  東京医科大学八王子医療センター
市田 隆雄  大阪市立大学医学部附属病院 中央放射線部

座長の言葉

狭心症における冠循環動態を理解する上で、冠血流予備能(Coronary Flow Reserve: CFR)の概念は重要である。臨床での使いやすさから冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve: FFR)が導入され、現在では冠動脈狭窄の機能的重症度指標として広く用いられている。また、最大充血の惹起を必要とせず、より簡便に冠動脈内圧指標を得られるとして、瞬時冠内圧比(instantaneous wave-Free Ratio: iFR)が導入された。日本循環器学会のガイドラインにおいても、FFR / iFRはいずれもその使用がクラスIにて推奨されている。急速に広まっている一方で、知識・計測方法の理解が不十分なことにより、不正確な計測値から謝った判断がなされる危惧もある。各施設・検査室における、計測に関する精度管理が重要である。正確な計測、データ管理は、術者一人ではなし得ず、メディカルスタッフの役割が大きい。本シンポジウムでは、カテーテルスタッフのレベルアップに寄与するべく様々な研究、取り組みを取り上げ共有したい。

3. 集中治療室における患者の家族に対する意思決定支援

座長: 平岡 栄治  東京ベイ・浦安市川医療センター
三浦 稚郁子  公益社団法人地域医療振興協会

座長の言葉

80歳女性、急性心不全にて集中治療室(ICU)に入室。IMPELLA、人工呼吸器、腎代替療法を施行。IMPELLA, 人工呼吸器からは離脱。透析は継続。高度収縮能低下、機能僧帽弁逆流が残存。今後重症化したとき同様の集中治療を行うか、主科(循環器科)と家族の話し合いがもたれる予定。

症例2
80歳女性、慢性維持透析患者。大動脈弁置換術を施行。その後、縦隔炎による敗血症性ショックを併発し、再手術を施行。その後、腸虚血から多臓器機能低下を合併。救命のためには大腸切除が必要である。家族は手術すべきかどうか迷っている。上記のような重大な意思決定に際し、意識低下のため家族が代理意思決定を行う場面が多い。家族の心の負担は非常に大きい。「ともに考える意思決定支援」により、その負担や不安を減らすこと、後悔の念を減らすことが重要である。それにはケアのゴール(患者が期待するアウトカム)、患者が許容できる負担と苦痛など価値観を拝聴するアドバンス・ケア・プラニング(ACP)が重要であり、上記のような場面では、代理決定者とともに考え、患者のACPを生かすスキルが医療チームに求められる。患者の価値観を多職種チームで共有し、意思決定に役立ててこそのACPである。そのためにも、「(医師中心でなく)患者中心の意思決定」、「患者中心の意思決定を行うプロセス」の重要性を共通認識にする文化を醸成することがICUでも重要である。今回、こういったことを話題に議論したい。

4. 高齢者の循環器薬物治療を考える

座長: 植田 真一郎  琉球大学 臨床薬理学
藤尾 慈  大阪大学大学院薬学研究科臨床薬効解析学分野

座長の言葉

社会の超高齢化に伴い、循環器疾患に苦しむ患者さんが増加している。しかしながら、薬物治療のガイドラインの基盤となる臨床試験は、試験からの脱落を避けるために、あるいは、多くの併用薬による評価の困難さや相互作用による有害事象を考慮して、高齢者や超高齢者を研究対象者から除外することが多い。このことは、高齢者においては、薬物治療の適正化を目指す上で、ランダム化比較試験が、必ずしもゴールデンスタンダードとはなり得ないことを意味しており、高齢者の薬物治療の適正化を極めて困難にしている。また、高齢者を対象とする薬物治療の目的、すなわち主要評価項目が、若い人と同様に、たとえば、event free survivalであっていいのかどうかという、ある意味、患者さんの人生観に関わる問題をさけて通ることはできない。さらに、臨床試験におけるIntention-to-treatに相当する服薬アドヒアランスも、高齢者の薬物治療においては大きな問題となるであろう。

多併存疾患はいわゆるポリファアーマシーの問題が生じ、有害事象の発生につながることから減薬も考慮する必要があるが結局エビデンスに基づいた投薬であることも多く、中止する根拠となる研究は少ない。本シンポジウムでは、加齢に伴う薬物動態学的変化、薬力学的変化という観点のみならず、全人的医療の観点から高齢者の循環器薬物治療について議論を深めたい。

5. 循環器疾患患者のこころの問題にどう向き合うか?(緩和ケアも含めて)

座長: 安斉 俊久  北海道大学 循環器内科学
鈴木 伸一  早稲田大学 人間科学学術院

座長の言葉

循環器医療においては、近年、多くの薬物・非薬物治療が開発され、生命予後は改善されるに至ったが、一方で疾患の慢性化が進み、病気といかにうまく付き合って生きていくかが大きな課題とされている。また、超高齢化社会を迎え、循環器疾患が原因で人生の最終段階を迎える人口も増加している。2014年に発表された世界保健機構の報告によれば、終末期に緩和ケアを必要とする疾患の中で、心血管疾患は最も多くを占めるといわれている。また、たとえ終末期に至らなくても、心不全をはじめとした循環器疾患患者の多くは不安や抑うつ、社会的な苦痛を抱え、家族も不安な日々を過ごしている。心不全の領域では、症状が出現した早期の段階から、多職種協働チームにより全人的苦痛を適切にアセスメントし、対処することがガイドライン上、推奨されている。しかしながら、具体的な方法は未だ明確にはされておらず、それぞれの施設で試行錯誤を重ねながら循環器診療と緩和ケアの両立を目指しているのが現状である。本セッションでは、心不全をはじめとした様々な循環器疾患患者がどのようなこころの問題を抱えているのか、そしてそれらに対してどのように向き合うべきか議論を深めたい。

第85回日本循環器学会学術集会運営準備室
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