第61回日本小児循環器学会総会・学術集会

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会長挨拶

三谷 義英

第61回日本小児循環器学会総会・学術集会
会長 三谷 義英
三重大学医学部附属病院 周産母子センター

第61回日本小児循環器学会総会・学術集会が、2025年7月10日~12日の3日間、三重県津市・三重県総合文化センターにて開催の運びとなりました。伝統ある本学術集会の運営を仰せつかり、あらためて会員各位に深く感謝申し上げます。ご参加に際して、あらためて本会の概要をお知らせします。

【本学術集会のテーマ】

本会のテーマは「小児循環器学、医療と保健の未来を紡ぐ:New Paradigm, Networking and Inclusiveness for Children and Beyond」です。小児循環器および成人先天性心疾患の医療・保健課題を新たな視点から捉え、枠にとらわれないネットワーク形成を目指し、患者中心の包括的医療を推進することとしました。

【プログラムの概要】

全国学会の年次学術集会の企画に際して、以下の5点に焦点をあてました。会員各位に一般演題等で研究発表を頂きながら、①時代を先取りする先進的な話題提供、②本学会の特徴である小児科、外科と多職種の連携した集学的な特別企画、③国内外の学会とのジョイント企画、④若手・専門医育成の教育企画、⑤学会の国際化の試みです。それらを旨に、学術的に実りのある会を目指して鋭意準備を進めてきました。実際のプログラムは、特別講演:5講演(国内2・海外3)、シンポジウム・パネル・委員会企画:40企画(国内38・海外2)、ディベート企画:2企画(海外)、ジョイント企画:6企画(国内3:日本心臓病学会、日本不整脈心電学会、日本肝臓学会・日本成人先天性心疾患学会、海外3:AHA、AEPC、TSPC)、AEPCのYIAセッション(AEPC 3名、国内3名)、例年開催される特別企画:14企画、指定・招聘演者:217名(国内非会員43名・海外23名含む)、応募一般演題:700題(海外17題含む)となりました。この度、会員及び委員会の皆様から多数の演題応募とセッション案を頂き、この場を借りてお礼申し上げます。開催者一同、今から大変楽しみですが、少しタイトなスケジュールとなりますことをご承知下さい。

会場は、特別講演、シンポ・パネル、委員会企画等の特別企画が5会場(第1-5会場)、一般口演が2会場(第6-7会場)、ポスターはポスター会場(5-6セッション)が同時開催となります。運営では、学術面を重視し、以下の2点に留意しました。一つは、学会の国際化とICT活用を踏まえて、海外からの一般演題応募も受け付け、指定の特別企画・口演セッションではスライドの英語化をお願いし、特別企画・一般演題の口演で英語発表を含むセッションは、第1、2、6会場開催において、英英、和英のキャプションを準備しました。もう一つは、参加希望のセッションが同時刻に複数にあることが想定され、第1-5会場の特別企画は、後日にオンデマンド配信を予定しています。

【特別企画について】

特別講演では、Stanford大Rabinovitch M氏によるレジェンド講演があり、Boston、Toronto, Stanfordでのご経験も含めてお話し頂けます。Geneva大Beghetti M氏による世界肺高血圧会議(WSPH)2024 の小児PHガイドラインの解説と引き続くCHD-PAHのTreat & Repairのdebate session、Stanford大 池野文昭氏による起業家育成と医療系スタートアップエコシステムと引き続く産官学協同セッション、国立がん研究センター・日本Medical AI学会代表理事浜本隆二氏による医療AIの実臨床応用:研究立案から薬事承認まで、有限会社二軒茶屋餅角屋本店(ISEKADO)代表取締役社長鈴木成宗氏には、「伊勢から世界へ、樹液から食卓へ」と題して、学位研究からクラフトビール起業と国際展開についてご講演いただきます。

会長企画シンポ1では、学会のテーマ「小児循環器学、医療、保健の未来を紡ぐ:New Paradigm, Networking and Inclusiveness for Children and Beyond」と題して、守る会、学会、こども家庭庁、ICT企業、ベンチャー企業の演者の講演があります。シンポ2では、小児期発症肺高血圧をテーマに、Stanford大Rabinovitch M氏(WSPH2024のTask Force論文著者)による肺高血圧の最新研究の基調講演があります。シンポ3(国際シンポ)では、児童生徒の心電図検診の国際状況とデジタル化について、Duke大Idriss SF氏(FDA Think Tank論文Am Heart J 2025の著者) による基調講演、AEPC President、Blom N氏、アジアの専門家の講演があり、別日に関連した委員会企画があります。シンポ4(国際シンポ)では、Northwestern大Pei-Ni Jone氏(Circulation誌AHA Statement2024の著者)による提言に関する基調講演、アジアの専門家の講演に引き続いて、川崎病急性期治療の初期強化についてdebate sessionがあります。パネル1、2では、それぞれ小児期発症後天性心疾患の移行期医療、重症CHDに対するbPABの遠隔成績、パネル3では、日本の小児循環器医療・研究の未来像をテーマに、海外でfacultyとしてご活躍の5名の演者(津田武氏、小林大介氏、伊藤誠治氏、佐々木奈央氏、Hong Gu氏)にご講演いただきます。

学会企画(長期・短期のシンポとパネル)は19セッションで、川崎病研究における日本の貢献、小児不整脈の標準治療、心臓外科手術の周術期合併症対策、心臓移植適応の限界、再生医療と多能性幹細胞研究、TPVIの現状、胎児心エコースクリーニングの課題、小児期の多様な肺高血圧・肺循環障害、TOFへsurgical RVOTRと生涯管理、ACHD患者のセルフケア能力、重複障害を持つCHD患者の地域生活、Fontanの多職種への普及啓発、小児循環器領域のキャリア形成、子供の心腎連関、小児生活習慣病の治療タイミング、科研獲得、ACHDの右心不全、匠の手術の伝承、適正な肺循環と外科手術です。委員会企画は14セッションで、いのちの事業の活動報告、もう動き出している学校心臓検診のデジタル化(内閣官房担当官のPublic Medical Hubに関する講演と全国の好事例の報告)、家族支援、小循専門医セッション、HBD for Children委員会企画、生体モニターアラーム、18trisomyのCHDへの外科介入、働き方改革、CoAに対するカテーテル治療、令和8年診療報酬改定、生成AIと論文作成、研究委員会報告、心臓外科の地域拠点化、臨床試験の実装があります。

ジョイント企画について、対海外では、AHAと小児重症心不全の外科的介入について、Young Hearts代表Ohio大Cabrera氏による基調講演と2名の招請講演、AEPCとはCHDのIEへの集学的治療で2名の招請講演、台湾小児循環器学会(TSPC)とはsystemic RVの管理について1名の招請講演があります。国内では、日本心臓病学会とライフステージから見た二次性心筋症、日本不整脈心電学会と非薬物治療のHot Topics、日本肝臓学会・JSACHDと話題のFALD診療の手引きの企画があります。他の特別企画が14セッションあり、第1日目夕のサテライト研究会5企画、専門医に重要な医療倫理・安全講習会、卒後教育に関わる標本展示記念講演と第3日目に3時間の教育セミナーBasic Course、心肺蘇生に関わる市民公開講座等、どれも興味深く、詳細はホームページ等をご参照下さい。

【本学会へのご参加に際して】

開催地の三重県津市は、各地からのアクセスが良好で、名古屋からは近鉄特急で約50分、大阪難波から約80分、中部国際空港からも高速船(フェリー)で約45分の距離に位置しております。初日夕刻にはサテライト研究会終了後、津市内や近郊での懇親・会食などを計画されることをお勧めいたします。また、2日目の会員懇親会は、津駅前の「グリーンパーク津」で開催する予定で、地元ならではの食材と地酒、地ビールをご用意して皆様をおもてなししたいと思います。ご参加を機に、伊勢神宮やおかげ横丁・おはらい町、美しい伊勢志摩エリアへと足を延ばしていただくことも可能です。最新のプログラム、交通手段(シャトルバス等)やイベントに関する情報は、学術集会ホームページならびにSNS(主催校のブログを含む)にて随時ご確認ください。熱気あふれる討論と楽しい交流の場となることを心より願い、三重県津市にて皆様をお迎えできる日を楽しみにしております。

  • 主催校事務局

    三重大学医学部附属病院 周産母子センター
    〒514-8507 三重県津市江戸橋 2-174
  • 運営事務局

    株式会社コンベンションリンケージ

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