第24回SNNS研究会学術集会

当番世話人 挨拶

第24回SNNS研究会学術集会
当番世話人 木南 伸一
(金沢医科大学 一般・消化器外科学)

金沢医科大学 一般・消化器外科学の木南伸一です。この度、2022年11月4日(金)~5日(土)に、第24回SNNS (Sentinel Node Navigation Surgery) 研究会学術集会を金沢で開催させて頂くことになりました。名誉代表世話人の愛甲孝先生、代表世話人の井本滋先生をはじめ、本研究会の役員ならびに会員の先生方のご高配にお礼申し上げます。

SNNS研究会学術集会も24回目となりました。私が最初に登壇したのは、恩師である金沢大学教授、三輪晃一先生がご担当された第二回学術集会でした。以後、毎年演題を携えて参加させていただき、今日に至ります。私の研究者生活の大半が本研究会と共にあり、沢山教えていただき、育てていただきました。思い入れのある研究会をお世話させていただくのは、僥倖であり、身の引き締まる思いです。浅学菲才ではありますが、本研究会が実りあるものとなるよう、一生懸命務めさせていただきます。

今回、主題を「Beyond the hard times !」とさせていただきました。「困難な刻を超えて」、ある歌詞の一節を拝借しましたが、これには様々な意味を込めたつもりです。

センチネルリンパ節生検は、その概念の導入から今日に至るまで、我が国においては困難の連続だったように思います。本邦では、胃癌の予防的リンパ節郭清の成功体験から、リンパ節郭清こそがsurgical oncologyの本道とされております。私の専門である、胃癌のセンチネルリンパ節生検と郭清省略は、まさに既成概念への挑戦でした。一般の外科医には受け入れがたい概念だったようで、否定的な諸先輩方は大勢おられました。その後、志を同じくする多くの研究者に恵まれ、ようやく胃癌でもセンチネルリンパ節生検が受け入れられそうになったころ、胃外科のトピックは腹腔鏡手術へと大きくシフトし、precise tailor-made surgeryであるセンチネルリンパ節生検は、腹腔鏡手術の標準化のうねりの中で時が止まってしまいました。21世紀に入り、研究倫理・薬事承認・保険診療などの時代の流れも、研究的治療のハードルを上げていきました。

でも私は、センチネルリンパ節生検には真実があると確信しています。困難な刻は、未来を信じる力と情熱があれば、きっと乗り越えられるはずです。これを書いている2021年夏、SNNSのみならず、世界はコロナ禍で大変なのですが、これだって真実と情熱で、きっと乗り越えられるはずなのです。

まだ終わらんよ!

第24回SNNS研究会は、困難な刻を超えるマイルストーンにしたく存じます。11月上旬の金沢は、白山の初冠雪、兼六園の紅葉、さらには冬の味覚など楽しめる時期です。現地開催を目指しておりますので、先生方には、ぜひ若手の先生方をご指導いただいて、多くのご演題を応募いただき、安全になっている(であろう)金沢に大勢でお越しいただけるよう、願っております。

令和3年8月吉日

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