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第113回日本泌尿器科学会総会

大会長挨拶

大会長 浮村 理

第113回日本泌尿器科学会総会

大会長 浮村 理

京都府立医科大学大学院医学研究科 泌尿器外科学 教授

 この度、第113回日本泌尿器科学会総会を2026年4月23日(木)~26日(日)に京都の宝ヶ池畔の国立京都国際会館にて開催させていただく運びとなりました。約1万人の学会員からなる歴史ある本学会の総会長を拝命し、大変光栄に存じます。

 近年の泌尿器科領域の発展は、ロボット支援腹腔鏡下手術に代表される手術方法の進歩に加え、新規の免疫系薬物の発展・革新的診断法、とくにゲノム診断に基づくPrecision Medicineなど、多様な分野で目を見張るものがあります。一方、伝統的な診断技術、低侵襲的・内視鏡診断から、機能温存を目指す治療選択肢、内視鏡的治療介入方法の選択肢の広がりや、集学的医療の組み合わせ・質の向上などでも継続的に発展しています。俯瞰的に見ても、いまや予防医学から革新的診断に基づく最先端の薬物治療・手術・放射線治療を含む集学的治療を網羅している泌尿器科は、臨床医学のMajorな牽引者となったといっても過言ではないと感じます。

 第113回の学会総会のテーマは、「愛と叡智の結晶, Crystal of Love and Wisdom」とさせていただき、人間愛にもとづくPatient firstを理念に、叡智を基盤にInnovationで従来医療技術の当たり前から、革新的な医療技術の創出・患者の満足度向上・予後改善を実現する学術集会を象徴するものにしたいと考えました。それゆえに、学術的成果を非臨床的な学術的意義のみにとどめず、臨床的未解決課題の充足的解決をめざして、産学官連携体制を基盤として、革新的な薬物開発・臨床治験、最先端の医療介入技術を導入し、革新的診断からQOL維持と病態制御とを両立できる治療選択肢の社会実装までを実現し、学術的成果を真にリアルワールドで患者がいかに享受していただけるかも、本学会の議論すべき重要なテーマとさせていただきました。もちろん会長企画、海外招請講演、教育講演の企画も充実させたいと思います。また、日本人はもちろん世界からの訪問者の心を揺さぶる企画として、千年の歴史と伝統を今に受け継ぐ京文化を代表する清水焼、禅、食文化、花街などを代表する「京文化講演」や「舞」などの文化企画についてもご期待ください。

 また、本学会は同時に、前立腺がんおよび腎がんのFocal Therapyの国際学会であるInternational Symposium on Focal Therapy and Imaging in Prostate and Kidney Cancerを、2019年に京都で開催して以来、二度目の開催となります。臓器温存による機能温存と癌制御の両立を目指す「がん病巣標的化治療」の世界最先端のExpertが討論する本会も合わせてご参加いただければ幸いです。

 京都府立医科大学泌尿器科学教室が本会を主催するのは初めてとなります、故、至らぬ点も多々あると思いますが、ご参加いただける皆様には充実した情報交換の機会をご提供できますように、学術内容だけでなく、思い出に残る総会になりますようにと鋭意準備を進めて参ります。春の京で、お会いできますことを心より楽しみにしております。

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