会長挨拶
会長 瀧川 奈義夫
川崎医科大学 総合内科学4 教授
川崎医科大学 総合医療センター内科 副院長・内科部長
第50回日本呼吸器内視鏡学会学術集会を、2027年6月24日(木)、25日(金)に開催するにあたり、会長を拝命いたしましたことを大変光栄に存じます。本学会は、診断・治療の両面において呼吸器診療を大きく前進させてきた学術集団であり、その節目となる第50回学術集会をお預かりする責任の重さを、身の引き締まる思いで受け止めております。
私自身の気管支鏡との本格的な出会いは、岡山大学から国立療養所山陽荘病院(現・山口宇部医療センター)へ異動し、医師5年目を迎えた1992年に遡ります。現在のような高精度CTやEBUS-GSが存在しない時代、内視鏡の手ほどきを受けたのが、故・沼田健之先生でした。限られた情報と経験を総動員し、まるで神業のような手技で診断を確定されるその姿は、私にとって内視鏡診療の奥深さと魅力を強く刻み込む原体験となりました。また、気管支充填術の分野では、岡山赤十字病院においてEWSを世に送り出された故・渡辺洋一先生からご指導を受ける機会にも恵まれました。EWSがまだ存在しない時代に、歯科用シリコンを用いて気管支充填を試みた経験は、技術やデバイスが未成熟であっても、患者さんのために知恵と工夫を尽くすことの大切さを教えてくれました。
現在、私は川崎医科大学に籍を置いておりますが、振り返れば、所属や立場を越えて多くの先達から学びを受け、その積み重ねの延長線上に今の自分があると実感しております。50年という歴史を有する本学術集会を、今回初めて岡山の地で開催させていただくことには、本学会が大切にしてきた「現場からの知」、そして「人から人へと受け継がれる技」が、確かに息づいていることを示す意味があるのではないかと考えております。
さらに、学術集会翌日の6月26日(土)午前中には、主に呼吸器に関連する子ども体験教室の開催を予定しております。未来を担う子どもたちに、本学術集会のテーマである「Next 50 years」を託し、次の時代へとつながる一助となることを願っております。
本学術集会が、世代や施設を越えて経験と情熱が交差し、次の50年へとつながる新たな一歩となることを願い、会長としてのご挨拶とさせていただきます。