学術集会長:大須賀穣(東京大学産婦人科学講座 教授)

会長ご挨拶

第76回日本産科婦人科学会学術講演会

学術集会長 大須賀 穣

東京大学産婦人科学講座 教授

学会長:大須賀 穣

第76回日本産科婦人科学会学術講演会の会長を担当します大須賀穣(おおすがゆたか)でございます。

日本産科婦人科学会学術講演会の魅力は何でしょうか?私はずばりその多様性にあると考えます。老いも若きも、クリニックの先生も大病院の先生も、都市の先生も地方の先生も、異なる分野の先生も、皆が産婦人科医もしくはその関係者として年に一度集い学ぶ場です。講演の内容も多彩です。最先端の医療、海外の医療、標準的な医療のいずれについても学ぶことができます。研究については一般演題で最新のデータを共有しディスカッションでき、さらにシンポジウムでは最新の概念やトレンドを知ることができます。また、産婦人科に関連する社会問題や医療全体の動きについての発表を聞くことができるのもこの学術講演会ならではの魅力です。多数の企業展示の中からは明日の診療に役立つヒントを見つけることもできます。新型コロナのパンデミックにより対面で会うことのできなかった多くの仲間と会い、語らい、学ぶ、そして勉強の後にはともに遊び楽しむ。年に一度の学術集会に参加することが皆様の人生をどんなに充実させるかを改めて実感していただきたいと願い、担当校として一同鋭意準備中です。

少子化傾向が続いておりますが、産婦人科はなくてはならない診療科であり、まだまだやること、やらねばならないことは沢山あります。そして、そのために皆が協力して女性のため、子孫のために前に向かって進む時代を迎えていると存じます。そこで、本学術集会のテーマを「ともに歩む、広がる産婦人科の未来へ」といたしました。女性活躍が叫ばれている一方で、望まぬ妊娠、未受診妊婦、児童虐待、家庭内暴力など女性や児が被害者となり医療介入が必要となることも多々あります。がん治療の進歩により生存率が上昇した一方で、妊孕性温存やQOLの向上という新たな課題も生まれています。女性の生涯をトータルで支えるという私たち産婦人科の原点を大切にし、日本の産婦人科の総合力を発揮することによって広がる明るい未来に向かって進んでいきましょう。会期は2024年4月19日~21日、会場はパシフィコ横浜ノース(2020年オープン)です。緑が芽吹き新たな命を感じる季節に日本産科婦人科学会としては初めての会場において未来志向で皆さんとお会いできることを楽しみにしております。