MENU

第60回日本肝癌研究会 第60回日本肝癌研究会

日程表・プログラム

Japan-Korea Joint Symposium

肝癌に対する診断と治療の最前線

招待講演

肝癌に対する新たな選択肢 ~Radioembolization本邦導入に向けて~

特別講演1

医療AIの将来(診療・研究との関わり)(仮)

特別講演2

癌研究における空間オミックス解析の応用と今後の展望

司会
竹原 徹郎(大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学)

教育講演-シンポジウム

肝癌における免疫関連有害事象のマネージメント
公募・一部指定

司会
平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器内科)
多田 俊史(姫路赤十字病院内科)
司会の言葉
肝細胞癌治療における免疫治療の著しい進歩により、切除不能な肝細胞癌に対する治療は大きく変化した。しかし、その一方で免疫関連有害事象が臨床の現場で新たな課題としてクローズアップされるようになった。本シンポジウムでは、免疫関連有害事象の管理に関する知見を深め、最新の臨床データや研究成果を共有して、免疫治療の安全性と有効性の双方に焦点を当てた議論をしたい。
各施設やグループの貴重な研究成果や臨床経験データを共有いただき、このセッションがより安全で効果的な医療を提供するための道筋を築く手助けとなることを期待している。

シンポジウム1

肝癌に対する個別化治療と効果予測バイオマーカー
公募・一部指定

司会
田中 真二(東京医科歯科大学分子腫瘍医学)
小玉 尚宏(大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学)
司会の言葉
免疫療法の到来とともに肝癌治療は新時代を迎えている。切除不能肝癌に対する薬物療法は、二種類の複合免疫療法を含む8レジメンが使用可能となった。一方、奏効率は最大3割程度であり、irAEなどの有害事象も一定頻度で認められるが、有効性や安全性を予測する因子は明らかではない。また、薬物療法と局所治療(TACE/RFAなど)の併用や薬物療法後のcurative conversionなどの集学的治療に関しても、適応となる症例の選択や予測に有用な指標は存在しない。更には、外科治療における新たな切除限界基準の妥当性が議論される一方、根治切除後のアジュバント免疫療法の登場も期待されている。今後は、あらゆるステージにおいて、様々な選択肢の中から症例毎に最適な治療を選択することが求められる。そこで、本シンポジウムでは、肝癌に対する個別化治療の取り組みやその基盤となる効果予測バイオマーカーに関する最新の研究成果をご発表頂き、今後の展望を議論したい(司会の言葉)

シンポジウム2

肝内胆管癌 診断・治療の新展開
公募・一部指定

司会
相島 慎一 (九州大学大学院医学研究院 構造病態病理学)
上野 誠(神奈川県立がんセンター)
司会の言葉
肝内胆管癌は、発生部位の違いや、がんゲノムプロファイリング検査による分子遺伝学的特徴、腫瘍内免疫微小環境などによる多様性が明らかになり、対応する画像診断の特徴についても新たな知見が蓄積されてきた。外科治療や化学療法や免疫チェックポイント阻害薬による集学的な治療の進歩に加え、遺伝子パネル検査により新たな治療戦略が可能となる症例も増えつつあるが、予後は依然として厳しい。本シンポジウムでは肝内胆管癌に関する画像および病理診断、バイオマーカーや最前線の治療に関する現状とこれからの展開を見据えた発表をお願いしたい。

シンポジウム3

薬物療法時代のTACEの役割を再考する(併用療法・シナジー効果)
公募・一部指定

司会
相方 浩(県立広島病院消化器内科)
稲葉 吉隆(愛知県がんセンター )
司会の言葉
肝細胞癌に対する薬物療法の進歩とともに、TACEの役割も変化してきている。分子標的薬とTACEの併用療法の有効性が報告され、実臨床においても行われるようになってきた。免疫療法とTACEの併用療法についても、複数のIII相試験が進行中であり、一部はpositiveな結果も報告された。さらに、免疫療法導入後のTACEの意義についても前向き試験が進行中である。本シンポジウムでは、薬物療法時代におけるTACEの役割や位置づけについて、理論的背景、対象やプロトコル、臨床成績などを踏まえて、議論し再考する機会としたい。多くの演題応募を期待します。

シンポジウム4

肝腫瘍の画像診断における最新知見(MRI, CT, US, PET(FDG, FAPI))
公募・一部指定

司会
藤永 康成(信州大学医学部画像医学教室)
飯島 尋子(兵庫医科大学)
司会の言葉
肝癌の画像診断は技術革新とともに進歩し続けている。画質の向上については、CTやMRIにおいてdeep learningが用いた再構成に応用されている。血流情報については、造影超音波や高時間分解能のダイナミックCTやMRIで詳細な評価が可能となった。これ以外にも、超音波やMRIによる粘弾性の計測、dual-energy CTによる肝癌のリスク因子としての線維化の推定、EOB-MRIによる結節の予後予測や術後肝不全の推定など、機能に関する詳細な評価も可能となった。本シンポジウムでは、最新の画像診断技術の臨床における位置づけや今後の展望について議論したい。

シンポジウム5

肝細胞癌に対するアブレーション治療適応の再考(適応拡大やMTA/免疫療法との併用について)
公募・一部指定

司会
能祖 一裕(岡山市立岡山市民病院 消化器内科)
國分 茂博(新百合ヶ丘総合病院肝疾患低侵襲治療センター)
司会の言葉
肝癌診療ガイドライン上のアブレ―ションの推奨適応は3cm以下3個以下であるが、この基準を超えた症例に対して施行されることもしばしばある。またアブレーションは薬物療法時の免疫賦活法として使用されたり、薬物療法奏効後のコンバージョン治療として用いられるなど、従来のアブレーション適応とは異なった領域でも臨床応用されるようになっている。本シンポジウムでは、症例毎の経過と各施設の状況に応じた薬物療法とアブレーションの独自のコンビネーションによる新たな利用法を含め、近未来の肝細胞癌に対するアブレーションの治療適応について、様々な視点からの検討結果を討議していただきたい。

シンポジウム6

肝癌の腫瘍微小環境に挑む
公募・一部指定

司会
山下 太郎(金沢大学医薬保健研究域医学系)
坂元 亨宇(国際医療福祉大学医学部)
司会の言葉
肝癌は遺伝子、ゲノム、エピゲノム異常が集積した癌細胞と様々なシグナル伝達異常をきたした血管内皮細胞、線維芽細胞、免疫細胞などからなる悪性の臓器形成過程と捉えることができる。近年癌細胞による血管新生や免疫監視逃避機構が解明され、進行肝癌では免疫チェックポイント阻害薬、血管新生シグナルを標的にした抗体薬、RTK阻害薬が実臨床で使用され、患者の予後延長に寄与している。一方これらの治療薬に対し治療応答が見られない症例も認められ、治療感受性、抵抗性の機序やバイオマーカー、新たな治療標的の探索などが求められる。本シンポジウムでは基礎、臨床両面から肝癌微小環境を標的にした最先端の研究演題を期待したい。

シンポジウム7

肝細胞癌に対するコンバージョン治療の現状と展望
公募・一部指定

司会
波多野 悦朗(京都大学医学研究科 肝胆膵・移植外科)
工藤 正俊(近畿大学医学部 消化器内科学)
司会の言葉
新規薬物療法の進歩に伴いintermediateおよび advanced stageの肝細胞癌の治療が大きく変わろうとしている。このセッションでは、初診時には肝切除や焼灼療法といった根治的治療の適応外であった病態が、薬物療法後にcurative intentの治療の適応となったものをコンバージョンと定義する。初診時の病態に応じた治療(レジメ)選択、コンバージョン治療のタイミングと方法、curativeなコンバージョン治療後の薬物療法の是非など集学的治療の最新の発表を期待します。

パネルディスカッション1

Borderline resectable HCCに対する治療戦略
公募・一部指定

司会
長谷川 潔(東京大学肝胆膵外科)
福本 巧(神戸大学 肝胆膵外科)
司会の言葉
HCCに対する切除の有効性は疑うべくもないが、腫瘍条件によっては治癒的切除後であっても高い再発率はいまだ克服されていない問題である。最近の薬物療法などの目覚ましい発達を背景に切除と非手術療法の組み合わせにより長期成績を向上させる試みがなされている。そういう動きを受け、2023年11月にBorderline resectable HCCの新定義が提案された。各施設でばらばらだったresectabilityの基準を一本化し、長期成績を比較可能にするという意味で画期的な取り組みである。本セッションではこの新定義に基づき、各施設の治療成績(切除に限らず)をお示しいただき、今後のHCCに対する至適な治療戦略を論じたい。

パネルディスカッション2

大腸癌肝転移に対する最適ストラテジー
公募・一部指定

司会
別府 透(山鹿市民医療センター 外科)
髙見 裕子(国立病院九州医療センター)
司会の言葉
国内のがん罹患数で1位となった大腸癌において、その生存率向上のためには、原発部位の治療のみならず、転移として最多である肝転移に対する治療が非常に重要である。
大腸がんの肝転移には肝切除が最も有効とされているものの、化学療法や局所焼灼療法を含む集学的治療の適切な対象や至適なタイミング等、まだまだ議論の余地は大きい。
本パネルディスカッションでは各施設の大腸がん肝転移に対する治療方針とその成績を発表いただき、大腸癌肝転移に対する最適な治療戦略について、症例を呈示して熱く討論したい。

パネルディスカッション3

日本における肝癌肝移植の現状と今後の展望
公募・一部指定

司会
上田 佳秀(神戸大学大学院医学研究科 消化器内科学分野)
吉住 朋晴(九州大学消化器・総合外科)
司会の言葉
肝細胞癌に対する肝移植では、背景の高発癌状態にある肝硬変を含めて治療可能であるため、長期生存が期待できる理想的な治療である。我が国では、2019年に脳死肝移植、2020年に生体肝移植の適応基準が5-5-500基準またはミラノ基準に拡大された。さらに、2024年からは脳死肝移植の登録がChild Pugh7点以上で可能となり、MELD周期加点のある肝細胞癌に対する脳死肝移植の増加が期待される。また、肝細胞癌に対する全身薬物療法をはじめとする各種治療法の進歩によって肝移植の位置付けも含め肝細胞癌に対する治療戦略が変化していくと考えられる。本ワークショップでは、これらの変化に伴う症例数の変化や移植後成績などについてご発表いただき、今後の肝細胞癌に対する肝移植の今後の展望について議論していただきたい。

パネルディスカッション4

肝動注化学療法の現状と今後
公募・一部指定

司会
鳥村 拓司 (大牟田市立病院)
田中 利洋(奈良県立医科大学 放射線診断・IVR学講座)
司会の言葉
肝細胞癌に対する治療法は、薬物療法の進歩に伴い、コンビネーション治療や集学的治療の可能性が広がった。現在、手術、アブレーション、TACEと分子標的薬や免疫治療の組み合わせが盛んに議論されているが、動注化学療法と全身薬物療法との併用も期待できる治療オプションといえる。全身薬物療法は決して万能ではなく、効果が得られにくい病態や有害事象により治療が継続しにくい事態が少なからず生じる。動注化学療法は、奏効率が高くコンバージョンを狙える治療法であり、全身薬物療法とのシーケンシャルや同時併用で威力を発揮する可能性を秘めている。本パネルディスカッションでは、薬物療法時代において動注化学療法をどのように組み入れるかについて、これまでの報告や各施設で経験した症例をもとに議論して頂きたい。

ワークショップ1

ロボット支援下肝切除の最前線
公募・一部指定

司会
若林 剛(上尾中央総合病院)
石沢 武彰(大阪公立大学 肝胆膵外科)
司会の言葉
近年普及が進みつつあるロボット支援肝切除の長所をさらに活用するための工夫、限界を克服するチャレンジについて、手術室の最前線から明解かつ有益な提案が示されることを期待します。硬変肝や多発・大型腫瘍への対応、術中蛍光イメージング、頭側/背側領域の切除、肝門個別処理、移植手術への応用、double-surgeon techniqueなどのテーマについて、方法論と手術成績をご提示ください。腹腔鏡肝切除で世界を先導するわが国が、ロボット支援肝切除でも同様に世界をリードできるのか?国際的な視点も加味して各技術の有効性を討議し、さらなる成績向上のために日本の肝臓外科医が果たし得る役割を考察しましょう。

ワークショップ2

肝癌に対する放射線治療の発展と今後の展望
公募・一部指定

司会
武田 篤也(大船中央病院放射線治療センター)
渋谷 圭(群馬大学医学部附属病院)
司会の言葉
肝細胞癌に対する放射線治療は、他の局所治療(ラジオ波穿刺療法、肝動脈化学塞栓療法)と比較して局所再発が少ないとする結果が複数の文献で報告されており、脈管近傍や浸潤性腫瘍でも治療が容易であり、非観血的でQOLを保ちやすいなどの他の局所治療にない利点を有する。一方で、その特徴、適応などについては肝がんを専門とする医師の間でも広く理解されているとは言い難い。放射線治療は、腫瘍抗原の放出などにより免疫応答を活性化する一方でPD-LI等の遺伝子発現も誘導することが明らかとなっており、免疫チェックポイント阻害剤との併用効果の検証が進んでいる。本ワークショップではこれらの知見を様々な診療科で共有し、普及に向けた議論を深めたい。

ワークショップ3

肝癌診療におけるAI/IT活用
公募・一部指定

司会
吉満 研吾(福岡大学医学部放射線医学教室)
阪本 良弘(杏林大学医学部付属病院 肝胆膵外科)
司会の言葉
近年のAI (Artificial Intelligence, 人工知能)やIT (Information Technology, 情報技術)の発達には目を見張るものがあり、内視鏡下での腫瘍診断やレントゲン写真の読影、術中の組織の識別などすでに日常診療に応用されている。肝癌の診療においてもAIによる診断支援、術前画像作成や術中の組織の識別、治療後の予後予測が始められている。本WSでは肝癌診療に使われ始めたAI/IT技術の適用や可能性について議論いただきたい。

ワークショップ4

肝癌診療・研究における人材育成 ~課題と取組み~
指定

司会
黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院)
加藤 直也(千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学)
司会の言葉
背景肝疾患の変化により、原発性肝がんの画像所見、病理所見も多様化しつつある。進行肝細胞癌に対する薬物療法の選択肢が広がる一方で、局所制御を目指す肝切除、焼灼療法、肝動脈塞栓療法によるconversion therapyや、放射線療法、肝動注化学療法を駆使した集学的治療の重要性も認識されつつある。肝細胞癌の腫瘍学的切除可能性分類が示されupfrontな治療選択の議論が深化しつつある。様々な視点からの臨床研究や、Rationaleとなる基礎研究の推進のためにも、内科、外科、放射線科、病理のすべての領域において人材を育成する必要性が高まっている。人材育成の課題と取組みについて議論したい。

ワークショップ5

MASLD患者における肝発癌サーベイランス・マネージメント
公募・一部指定

司会
河田 則文(大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科)
矢野 博久(久留米大学医学部病理学講座)
司会の言葉
2023年6月にAASLD等の主要学会はMetabolic-dysfunction associated steatotic liver disease(MASLD)の概念を提唱した。我が国では肝炎ウイルスに代わり、非ウイルス性 (特にMASLDやアルコール関連肝疾患)の肝硬変や肝癌が年々増加している。また、今回の命名法では中等量飲酒に伴う脂肪肝がMetALDと命名された点も注目すべき点である。飲酒量の増加が肝発癌に影響するのは周知の事実であるが、MetALDと肝癌の関連など、未だに不明な点が多い。本ワークショップではMASLDを中心とする脂肪肝の疫学、発癌機序を含めた病態、診断のためのスクリーニング、囲い込み法、発癌リスクの評価、バイオマーカーの探索など基礎・臨床にわたって幅広く議論したい。

ワークショップ6

肝癌治療における肝機能保持・改善への試み
公募・一部指定

司会
大川 和良(大阪国際がんセンター 肝胆膵内科)
日高 央(北里大学消化器内科学)
司会の言葉
肝癌治療が他臓器への治療と大きく異なるのは、癌発生臓器の機能を損なわないようにすることが、治療後の予後延長に極めて重要な点である。肝切除や癌局所療法は無論のこと、全身化学療法においても、肝機能を維持し続けることが、次治療への重要なステップになることは言うまでもない。本ワークショップにおいては、肝癌治療における肝機能保持・改善への各施設の取り組みについて御発表頂きたい。症例数が少ない報告であっても、“肝癌診療の新時代”を切り拓くような演題であれば、積極的に取り上げていきたい。多くの演題応募を心よりお待ち申し上げます。