第47回日本日本死の臨床研究会年次大会
JARD 一般社団法人日本史の臨床研究会

ご挨拶

大会長 田巻 知宏(医療法人 彰和会 北海道消化器科病院 緩和ケア内科 副院長
梶原 陽子(医療法人 徳洲会 札幌南徳洲会病院 看護部 教育師長)

 一般社団法人日本死の臨床研究会は、死の臨床において生命を脅かす病などの困難に直面する人や家族等にとって最適な援助の道を全人的立場より探求することを通して,研究・教育及び実践の発展と向上に努め,人々が死を受け入れ自分らしい人生を全うすることに貢献することを目的としております。1年間に1回年次大会を各地域で開催し、この度は北海道札幌の地にて開催します。
 今回は「悲嘆(グリーフ)」に焦点をあて、「つらさやかなしさを持つ人々と共に歩む」のテーマで学び合い、教え合い、語り合いたいと考えています。
「悲嘆(グリーフ)」とは自分の人生にとって重要な意味を持つ人や物を失ったときに経験する、さまざまな反応のことです。その喪失や別れは、誰かが亡くなったときには当然のごとく強い悲しみに包まれますが、人の生死を含めた人との別れだけに関わらず、体の機能の喪失や未来を失うこと、そしてペットや愛する物との間にも存在します。 そして喪失や別れは人生のいろいろな場面に存在し、残された側はつらさや悲しみとともにその人の人生を歩まねばなりません。その時間はとてもつらく感じるときも少なくなく、ときに感情が強く揺さぶられ、身体的に精神的にも変調や支障をきたすことも稀ではありません。
 強く叱咤激励したり、喪失や別れを美化したり正当化することでその悲しみから逃れようとすることもあるかもしれません。しかし時にはその事をあるがままに受け入れそれとともにゆっくり歩むことがとても大切であることを、私達が普段経験する死の臨床の現場で学んでいます。そしてつらさやかなしさを持つ人々とともに歩むことこそがこの研究会が実践を目指している援助の本質であると考えています。
 ぜひこの2日間が、学びと研鑽を深め、援助が必要な方々のことについてともに理解を深め、考えていく機会になれればと思います。