第35回日本エイズ学会学術集会・総会

主催者挨拶
Welcome Message

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第35回日本エイズ学会学術集会・総会

会長 俣野 哲朗

国立感染症研究所エイズ研究センター長
東京大学医科学研究所委嘱教授

この度、私ども、第35回日本エイズ学会学術集会・総会を開催させていただくこととなりました。日本エイズ学会学術集会・総会は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)・エイズの諸問題に取り組む人々が一同に会し、HIV感染症制圧に向けて、最新の研究成果発表、情報共有・発信、議論等を推進することを目的として、30年以上にわたり毎年開催されてまいりました。第35回は、2021年11月21-23日に東京都のグランドプリンスホテル高輪にて開催させていただく予定です。

1981年に米国でエイズ症例の最初の報告がなされて以来、40年の歳月が流れました。この間、抗HIV薬開発等の科学の飛躍的進歩や多くの方々の努力によって、HIV感染症の生命予後は改善しました。しかし、今なお世界のHIV感染者総数は3500万人以上で、毎年150万人以上の方々が新たに感染していると推定されています。抗HIV薬治療下の感染者の方々の加齢関連疾患等も新たな課題です。このようにHIV感染症制圧に向けた取組みは、未だ道半ばの状況ですが、本大会では、この40年間を振り返りつつ、未来に向け新たな発信をしていきたいと考えております。

社会・臨床・基礎のセッションにて、最先端の知見の共有・議論を進めていけるよう企画してまいりますが、特に本大会では、SCB(社会[Social]・臨床[Clinical]・基礎[Basic])をキーワードとし、社会・臨床・基礎連携に重点をおいて、幅広い視点での連携シンポジウムを企画させていただければと考えております。これまでHIV感染症に対する取組みとして、分子・細胞レベル、個体レベル、集団・社会レベルの各々の課題克服の重要性を認識し、社会・臨床・基礎連携を進めてきたことは、エイズ研究の大きな特徴であります。今後、社会・臨床・基礎の各分野を進展させ、SCB三者の連携をさらに発展させることは、早期診断・早期治療の推進に加え、将来のワクチンやCURE(治癒)法の開発・導入促進の鍵となると考えられます。「SCB to the Future」をメインテーマとする本大会の開催により、真のHIV感染症制圧に向けた未来統合型社会・臨床・基礎連携の加速につながることを期待しております。

HIVパンデミックは、無症候感染者からの「みえない感染拡大」制御の難しさを人類に知らしめましたが、その後、肝炎ウイルス、HTLVに引き続き、2020年のCOVID-19のパンデミックで、「みえない感染拡大」の脅威を再認識するにいたっています。HIV研究・対策で培われてきた知見・技術は、これら感染症に対する取組みに活用されてきており、社会・臨床・基礎連携をはじめとするHIV感染症に対する取組みは、感染症研究において先導的役割を担うものと考えられます。このような状況をふまえ、本大会では、これらCOVID-19等の感染症に関するセッションも企画させていただきます。一方、国際連携をテーマとするセッションも重要視しております。

本大会は、一部webセッションも企画しておりますが、現時点では、大部分のセッションはグランドプリンスホテル高輪にて開催させていただきたいと考えております。COVID-19流行のため、一同に会しての議論の機会確保が難しい今日ではございますが、皆様方のご協力のもと、できる限り多くの方々にご参加いただき、有意義な会となるよう尽力してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。