第55回日本作業療法学会 [The 55th Japanese Occupational Therapy Congress & Expo in Sendai 2021]

学会長挨拶

大会長顔写真

第55回日本作業療法学会

学会長:柴田克之

(金沢大学医薬保健学域保健学類)

2020年4月頃より, 猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大は, 国内外のすべての動静を一変させました. 現在では自粛生活から少しずつ解除され,人の動きに伴い社会経済活動が回復に向かっているものの, 人が集まる場所と空間では感染は確実に広がり,今なお予断を許さない日常が続いています. 一人ひとりが感染予防の自衛的な対策を講じながら, 平常な社会的な営みが出来ることを心待ちにし, 1日も早く効果的な治療薬やワクチンが世界中に普及して, 再び安心, 安全な日常生活に戻ることを願ってやみません.

2020年上半期から下半期に予定していた学術大会や学会の大部分が, 中止またはWeb開催となり, 第54回日本作業療法学会(石川隆志学会長)もWeb開催を余儀なくされました. 学会運営委員として参画しておりますが, 運営委員の誰一人として悲観的に捉える人はいませんでした. むしろ, コロナ禍のピンチをチャンスとして前向きに受け止め, これまでの学会にはない, 新たな学会のあり方を再考して, 史上初めてのWeb開催に加え, 会期 1ヶ月間の長丁場の学会を無事終えることができました.

今回のWeb開催を通じて3つの知見を得ることができました. 先ず, 言うまでもありませんが, 会場に出向くために要する物理的な移動時間や滞在する場所の制約がなくなり, 自宅や職場から手軽に学会参加できるようになりました. 次に, すべてのプログラムの時系列の配置はなくなり, 視覚的に理解しやすいテーマ分類から入ると, Web会期中, 学会に参加しているかのように,モニター越しに,興味のある講演や一般演題のナレーション付きのスライドを視聴でき, またPDF版のポスターの前に立ち止まり, 研究内容を納得いくまで熟読できたことです. 最後は, 一方的に視聴するだけでなく,学会の醍醐味である双方向の活発な意見交流ができるように, 掲示板に質問や意見を記載して後日発表者から回答を得るなど, フラットな環境下で質疑応答が可能となりました. こうした新たなメリットに加え, 様々な課題と反省を踏まえて, 来年の学会開催に繋げていきたいと考えております.

さて, 2021年の第55回日本作業療法学会は, 奇しくもオリンピック・パラリンピック開催の年となります. 学会開催はパラリンピック閉会の5日目となり, 障害を乗り越え, 新たな記録に挑戦したアスリートたちの感動と興奮の余韻が覚めやらぬ頃だと思います.そして杜の都仙台は, 11年前の第44回日本作業療法学会(佐藤善久学会長)を開催した地であり, 来年が東日本大震災後10年にあたることから, 様々な感慨を込めて東北の地仙台で学会を開催することになります. 第55回日本作業療法学会のテーマは, 作業療法の「分化と融合」―輝く未来に実践知のバトンをつなぎ・たくすーとしました. これまで55年間の作業療法史の中で, 脈々と培われてきた臨床, 教育, 研究の礎をこれからの未来史に向けて, リレーのバトンをつなぐように, その専門性を深化させる分化と今までにない異分野との融合によって, 新たな作業療法を創造していく意を込めました.

仙台での学会開催は感染予防を徹底した環境のもと, 3日間の現地開催と1ヶ月間のWeb開催を検討しています. 学会テーマに関連した基調講演やシンポジウム, 企画セミナーなど参加者に関心をもっていただける特別プログラムを多数検討しています. 東北で開催される日本作業療法学会が実り多い, 充実した学術大会となるよう, 多くの演題登録と学会参加をお待ちしています. 皆様のご協力と参加を改めてお願い致します.

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