大会長挨拶
日本ハイパーサーミア学会 第43回大会
大会長 中村 仁信
(大阪大学名誉教授、医療法人友紘会 彩都友紘会病院長)
このたび、日本ハイパーサーミア学会第43回大会を2026年9月4日(金)から5日(土)に大阪大学中之島センター(大阪市北区中之島)にて開催させていただく運びとなりました。伝統ある本学会を主催させていただきますことを大変光栄に存じます。
日本ハイパーサーミア学会では、これまで臨床・工学・生物学・物理学・コメディカルの分野が一体となり、がん温熱療法(ハイパーサーミア)に関する学術研究を基礎と臨床の両面から発展させてまいりました。特に進行がんの治療において、化学療法や放射線治療と組み合わせることで優れた増強効果を発揮することが認識されていますが、未だに、多くの施設で行われているとは言えないのが現状です。一方、化学療法が有効ではなかったり、副作用で継続できなかった患者さんは、藁をもすがる思いでハイパーサーミアに来られます。副作用がなく、頭蓋内以外ならほとんどの人が受けられるがん治療だからです。がんの治療というと、副作用が辛い、過去の経験からあんな治療は受けたくないと言われる方が少なくありません。そこで、このアピールポイントを、大会のテーマ「副作用のないがん治療」としました。
ハイパーサーミアによるがん治療効果は、残念ながら、それだけでは十分なものではありません。しかし、幸いハイパーサーミアはどんな治療法とも併用できます。私は、併用することによって治療効果の上がる方法を探し続けてきましたが、今なお、これというのが見つかっていません。このことは学会でも大いに議論したいところです。
これから、来年9月に向けて鋭意準備を進めてまいります。皆さま方におかれましては、是非とも積極的なご参加を切にお願い申し上げます。