会長挨拶

第18回日本股関節鏡研究会の開催にあたり
テーマ:真実一路 ~Feedback to the future~
山崎 琢磨

 この度、第18回日本股関節鏡研究会を2023年9月2日に広島にて開催させていただくこととなりました。未だ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況ではございますが、わが国でもウィズコロナでの活動を推進していく気運が高まりつつあり、本研究会におきましても第17回研究会に引き続いて現地開催とさせていただきたく存じます。
 本研究会は、股関節鏡治療の発展を目的に2009年に股関節鏡フォーラムとして発足し、2015年に会員制を導入した日本股関節鏡研究会として再出発致しました。発足当初は刻々と進歩する股関節鏡手術の手技の習得および普及を目的に議論を重ね、積極的に手術を促進してきました。また、本研究会は股関節鏡を扱う整形外科医だけでなくコメディカルの方々にもご参加いただき、術前後のリハビリテーションとの相乗効果についても勉強を積み、治療成績の向上を図ってきました。しかし、股関節鏡手術の経験を積むにつれて股関節内病変に対する股関節鏡手術が極めて有効な症例もあれば、有効性の得られない症例もあり、手術適応を的確に見定める大切さに気づかされました。また、股関節の痛みは股関節内だけではなく、股関節周囲組織にも原因となる病変が存在することを知り、近年では股関節周囲組織に関する新たな知見が増えてきております。このように、股関節鏡について探究することは、真の股関節について探究することに通ずると申しても過言ではないと感じております。本研究会の発足より14年が経ちますが、我々が行ってきた股関節鏡手術を今一度振り返り、ポジティブな結果もネガティブな結果も皆で共有し、真実を未来に向けてフィードバックすることにより、股関節鏡手術の新たな「路」が拓かれるものと信じております。
 広島で熱く語り合える研究会となりますよう準備を整え、皆様をお迎えさせていただきたく存じます。暑い時節にはなりますが、万障お繰り合わせの上ご参加賜りますよう心よりお願い申し上げます。

第18回日本股関節鏡研究会
会長 山崎 琢磨
(国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 整形外科 科長)