第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会

会長挨拶

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第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会
会長 望月 秀樹
(大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授)

第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会を 2023年(令和5年) 9月11日(月)から13日(水)までの3日間、 大阪国際会議場にて開催させていただきます。今回は、“ 飛躍する遺伝子治療 - 産官学で乗り越える未来への架け橋 ” というテーマにしました。遺伝子細胞治療では、これまで血液疾患、癌、小児代謝性疾患が中心ですが、 神経難病である脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療も、米国および日本でも上市されました。早期治療介入が重要とされており、発症例のみならず未発症例であっても発症前投与が可能になりました。難攻不落の神経難病を担当していたものとして、その治療効果は驚くほどでした。しかし、1 回投与の治療薬として大変高額な薬価を呈しております。これは、産業界とアカデミアが、切磋琢磨して克服しなければならない大きなハードルです。また、規制に関しても行政やPMDAなどとも多くの議論が必要です。本学術集会では、それぞれ十分議論できるような有意義なプログラムを構築しております。

また、本学術集会から、日本遺伝子細胞治療学会の新たに設立された委員会の一つである、学術・プログラム委員会が主体となって企画するセッションを設けております。具体的には、ASGCT、ESGCTとの共催プログラム、日本再生医療学会、日本核酸医薬学会など他学会との共催プログラムを多く企画しました。さらに、学会企画として、経産省、文科省、厚労省、PMDA など行政のセッションも新たに加えました。また、前回大会で森下理事長から、来年度に向けて認定制度を米満認定制度委員長中心に設立されました。ご案内をご覧ください。大変充実したプログラムと新しい企画をお楽しみください。

遺伝子治療が多くの患者さんに届くよう、アカデミアだけではなく、行政、企業が一体となって、未来への架け橋となる学術集会を目指しますので、どうぞ宜しくお願いいたします。