第10回JSCRS ウインターセミナー The 10th Japanese Society of Cataract and Refractive Surgery Winter Seminar

ご挨拶

太田 俊彦

第10回JSCRSウィンターセミナー
担当理事

太田 俊彦

(順天堂大学医学部附属静岡病院)

2021年10月吉日

この度「第10回JSCRSウィンターセミナー」を開催させていただくことになりました。これもひとえに皆様方のJSCRSへの多大なご協力とご支援の賜物であり、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

JSCRSウィンターセミナーは、白内障手術をこれから始める術者やより上達したい術者、経験豊富でなおかつ最新の知識を得たい術者たちが毎年約300名参加する、総会とは少し趣の異なるセミナーです。こちらは小規模の勉強会の趣で、より実際的なセミナーと私は位置づけています。昨年は例年同様に現地開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によりWeb開催となりました。今年の年末もCOVID-19の感染状況が不明であるため、今回もWeb開催を予定しております。しかし、Web開催は現地開催と異なり会場と時間の制約がないため、従来サマーセミナーで行っていた屈折矯正手術の内容を本セミナーで合わせて行うことが可能となり、セッションの数も従来の2倍となりました。結果として、より充実した内容のプログラムを組むことができました。「ニューノーマル時代のSMART CATARACT SURGERY」というテーマで、時代に即したよりパワーアップした内容を参加される皆様方にお届けできればと考えています。

実際のプログラムの内容ですが、最初に「多焦点IOLについて、第36回JSCRS学術総会を踏まえて」というタイトルで、多焦点IOLの最新の話題、問題点とその対応について解説していただきます。次に「トーリックIOLのすべてを知る」では、トーリックIOLの術前戦略、手術戦略、軸ずれへの対応、長期効果について、実践的なノウハウに重点をおいてわかりやすく解説していただきます。「白内障手術インストラクター養成講座」では、指導医はどのような言葉で伝えるべきか、明快かつ理論的に解説する、指導医養成講座を目指しました。「私のとっておきの手術のコツ」では、本当に誰にも教えたくない手術のコツを、17名の経験豊富な術者がビデオで参加者に伝授します。次に今年のJSCRS学術総会で好評であったインストラクションコースの「白内障手術 難症例対策」を、教育セミナーとして取り上げて再度お話いただきます。「白内障術者が知っておきたいコト」では、白内障手術の最近のトピックと、より完成度の高い手術を行うために白内障術者が知っておきたい項目を、それぞれのスペシャリストの先生方が解説します。「隣のスゴイ手術室」は、学会等で活躍されている先生方の自慢のクリニックの受付、待合室、診察室、手術室などすべてを、ビデオで余すこところなく見学させていただくという新企画です。昨今のコロナ窩で他院の見学も困難となっており、他の先生方が実際にどのような環境下で診療や手術を行なわれているのか大変興味のあるところです。「コロナ禍と眼科診療」では、COVID-19感染対策と病院経営について、大学病院、一般病院、診療所の先生方に解説していただきます。次に「これから始めるICL」というテーマで、最近レーシックに代わる屈折矯正手術として注目を集めているICLの術前検査、実際の手術手技、合併症対策などについて、スペシャリストの先生方にわかりやすく解説をしていただきます。ICLについて興味を持たれている先生方には必見の新企画です。そして「屈折矯正手術の最近の話題」というテーマで、日本と世界の状況、レーシック、スマイル、ICL、オルソケラトロジーなどの様々な屈折矯正法について解説していただきます。最後にこれも最近注目を集めている「小児の近視進行抑制」というテーマに対し、紫外線、遠近両用コンタクトレンズ、オルソケラトロジー、低濃度アトロピンなどについてわかりやすく解説をしていただきます。以上のように、白内障手術と屈折矯正手術に関する最新の話題をすべて網羅した内容となっております。

それでは、師走のご多忙な時期ではありますが、皆様方にお会いできることを楽しみにお待ち申し上げております。