大会長挨拶

日本歯科保存学会2019年度春季学術大会の開催に向けて

歯科保存学 -新たなる門出-

日本歯科保存学会2019年度春季学術大会
(第150回)大会長
日本歯科大学 生命歯学部 接着歯科学講座
奈良 陽一郎

 明年2019年6月27日(木)・28日(金)の両日、加賀百万石の城下町・石川県金沢市において、日本歯科保存学会2019年度春季学術大会(第150回)を開催主管させていただくことになりました。
 ご拝察のとおり、本学会は、国内外を問わず、患者国民が期待し、願い、求める“保存治療”について、修復・歯内・歯周病学の三分野による直向きな真理探究と臨床還元を目標に1955年(昭和30年)に産声を上げ、63年間という時の流れの中で進展を遂げてきました。来年は元号も改まり、まさに新しい時代の到来を予感することができます。縁あって、このような節目の機会に主管させていただく2019年度春季学術大会では、これからの歯科医学・歯科医療を支え、花形の先導役を担う歯科保存学の“新たなる門出”に際し、次の一歩を見据えた問い掛けとその対応策を探り、輝く次世代の幕開けとしたく思います。
 そこで大会メインテーマには、『歯科保存学 -新たなる門出-』を掲げさせていただき、一般発表(口頭・ポスター発表)・認定研修会をはじめ、大目玉企画として、日本歯科医師会会長・堀 憲郎 先生、日本歯科医学会会長・住友雅人先生、日本歯科保存学会次期理事長・田上順次先生による特別シンポジウムを設けました。このプログラムでは、「これからの歯科保存学会に期待すること、会員が担うべきこと」を題材として、3トップから講演をいただき、参加者を交えたディスカッションの機会を持ちたく思います。また本学会からの依頼を受けた学会主導型プログラムでは、「新たなる保存治療 -デジタリゼーションが導く未来-」をテーマに、デジタルデータ活用による今後の歯科医療について、国立保健医療科学院統括研究官・安藤雄一 先生、大阪大学歯学部附属病院医療情報室副室長・野崎一徳先生、朝日大学大学院歯学研究科教授・勝又明敏先生からお話しいただき、信頼性・予知性に長けた次世代診療について意見交換の場を持ちたく思います。さらに「3つの扉の向こうには... -国民の期待に応える保存治療を見据えて-」と銘打った保存三分野シンポジウムでは、福岡歯科大学教授・阿南 壽先生、北海道大学大学院教授・佐野英彦先生、大阪大学大学院教授・村上伸也先生によって歯内・修復・歯周病分野における新たな取り組みについてご紹介いただきます。
 併せて一般発表のポスター発表では、学会の表彰制度規則に則り“優秀発表賞(優秀ポスター賞)”が授与されますので、多数の事前申込みを期待しております。さらに本大会では、学会のあり方委員会発案の専門医と認定医による事前エントリー制のポスター症例発表演題を対象とする“優秀症例発表賞”の選考と表彰も行いますので、奮って登録願います。加えて、大会2日間を通じランチョンセミナーと企業展示を設け、参加者が望む情報やニーズを少しでも多くご提供できるよう努めさせていただきます。また、第一日目の夕刻には、全国各地からお越しの参加者皆様に親睦を深めていただくため、美味しいお料理をご用意した着席ブッフェ形式による会員懇親会を開催いたしますので、ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください。
 大会開催地の金沢には、日本三名園の一つの兼六園が、その向いには前田家の居城跡・金沢城公園があります。また、いま話題の繁華街・香林坊を訪れる前に、その西に在る石畳土塀が続く情緒たっぷりの長町武家屋敷跡に足を運んでみては如何でしょうか。さらに、お城の北東に流れる浅野川に程近いひがし茶屋街は、犀川西側の「にし」と共に栄え、素敵な建築様式を活かした茶房、ギャラリーなどスタイリッシュなお店が軒を連ねておりますので、お楽しみください。
 本大会のプログラムが、会員・参加者・講演者のみならず、協賛企業を含めた各位の期待・求め・願いにも応えられる大会となるよう“おもてなしの心”をもって、皆様をお迎えしたく思います。
 では、新たな元号となった6月の金沢にて、皆様とお目にかかれますことをスタッフと共に楽しみにしております。