第55回日本てんかん学会学術集会

ご挨拶

第55回日本てんかん学会学術集会
会長 中里 信和
東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野 教授

 第55回日本てんかん学会学術集会を2022年9月20日(火)〜22日(木)の3日間、仙台国際センターにおいて開催させていただくことになりました。
 「夢と理想の実現に向けて」というテーマを掲げた最大の理由は、てんかん診療の現状には、早急に改善しなければならない点がある、という危機感によるものです。国際抗てんかん連盟では、先進国と発展途上国との間にある治療格差の問題を指摘していますが、その報告では、治療格差は国家間だけでなく都市部と地域との格差や、家族や個人の収入の格差や人種の格差にもある、と指摘しています。本学会の会員諸氏であれば、日々の診療の中で出会う症例に対して「どうしてこの患者は、ここまで診断や治療が遅れていたのだろう」と嘆いた経験は少なくないと存じます。目の前の問題に対して心を痛めるのは当然ですが、我々は個別の問題に頭を抱えるだけでなく、その背景にある制度の問題にも目を向けて、これを学会というチームで改善していく必要があります。本大会が会員諸氏の「夢や理想」を確認しあうだけでなく、「実現」の手筋を見つけるきっかけになって欲しいと願います。そのために、本大会ではいくつかの「仕掛け」を設定しています。
 仕掛けの第一は「ディベート・セッション」です。我々が抱える課題を2名の演者によってProsとConsの極論を述べてもらいます。その後の討論によって現実的な解決策を導くというセッションです。とかく日本人は阿吽の呼吸を大切にして議論を避けがちですが、本大会では問題点を皆で確認する機会を多数、設ける予定です。
 仕掛けの第二は、シンポジウム、ワークショップ、教育講演でもテーマを明確に設定し、あたかも「ディベート・セッション」のように論点を明確にしたいと考えています。
 仕掛けの第三は、参加者同士の相互のコミュニケーションを活発にするための時間と空間の提供です。パンデミック下では従来型の全体懇親会は危険です。午後の早い時間帯の「てんかんカフェ」と、午後の遅い時間帯の「てんかんラウンジ」を、感染状況が許せば展示会場を中心に、状況が厳しい場合にはバーチャル的に用意し、許せる範囲での飲食を提供して、会員諸氏や展示企業との出会いを醸成したいと考えていますので、ご期待下さい。
 仕掛けの第四は、アウトリーチ活動です。大会前日の9月19日(月・休日)には患者や家族を含む市民との交流を、大会終了翌日の9月23日(金・休日)には東日本大震災の被災地を訪れるツアーを企画したいと考えています。詳細の発表はこれからですが、どうぞお楽しみ下さいますよう。
 この挨拶文を作成している時点では、大会前後の感染状況についてはまったく予断を許さない状況ですが、いかなる状況になったとしても対応できる大会運営を考えておりますので、会員諸氏、関係者のご協力を心よりお願い申し上げます。

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