学術会長挨拶
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第86回日本癌学会学術総会
学術会長 大谷 直子
大阪公立大学大学院医学研究科 教授

学術会長 大谷 直子

このたび、第86回日本癌学会学術総会を、2027年9月16日(木)から9月18日(土)までの3日間、大阪市の大阪国際会議場およびNCB会館を主会場として開催する運びとなりました。本学術総会を担当させていただく機会を賜りましたことを、大変光栄に存じます。

第86回学術総会では、「協創力で拓くがん制御への未来戦略」をテーマに掲げました。これまで、がんの発症原因や進展過程に関する分子メカニズムの解明が進み、多くの分子標的治療薬が開発されてまいりましたが、依然としてがんの完全な克服には至っておりません。今後は、異分野間の学際連携、基礎・臨床・企業の連携、シニア・中堅・若手研究者の世代を超えた協働、さらには国際連携といった、すべてのがん研究者の知力と連携力を結集する「協創力」によって、がん制御に向けた「未来戦略」を創出していくことが不可欠であると考えております。本学術総会では、こうした目標の実現につながる、がん予防も含めたがん研究の最前線を紹介するプログラムを企画しております。

特記すべきこととして、ノーベル生理学・医学賞受賞者である坂口志文博士、ならびに山中伸弥博士に特別講演をしていただけることとなりました。また、最新かつ先端的な研究トピックスを扱う約40のシンポジウム、海外研究者と共同で企画する国際セッションに加え、企業研究者による創薬シンポジウム、教育講演、最先端テクノロジーの紹介企画、企業と研究者の交流企画など、多彩なプログラムを予定しております。

さらに、今回初の取り組みとして、シンポジウムとは別枠で、実臨床にも直結するトランスレーショナルなトピックスを扱うワークショップを新設いたしました。また、日本癌学会が推進する、がん患者・サバイバーと研究者の交流を目的とした「サバイバー・研究者プログラム(SSP)」をはじめ、研究者のキャリア形成や課題解決を支援する研究者ウェルビーイング企画として、Cancer Research Career Forumなどの特別企画も実施する予定です。

加えて、第84回学術総会に引き続き、大学生・高校生が参加できる「たまごひよこセッション」も開催する予定です。次世代を担う若い方々にもがん研究の魅力に触れていただき、将来の研究への関心につながる機会となればと願っております。

このように、基礎・臨床・企業、さらには世代や分野を越えて多くの皆様にご参加いただき、それぞれの研究者の立場に寄り添いながら、がん研究に対する新たなモチベーションと交流が生まれる、有意義で実り多い学術総会となるよう、関係者一同、準備を進めております。

本学術総会が、皆様と共に「がん克服・がん制御」という大きな目標に向けた新たな一歩を踏み出す機会となることを切に願っております。大阪での第86回日本癌学会学術総会に、多くの皆様の積極的なご参加を心よりお待ちしております。