会長挨拶

江頭先生お写真
会長 江頭 健輔
久留米大学 医学部 内科学講座
浅田先生お写真
会長 浅田 祐士郎
宮崎大学 医学部 病理学講座 構造機能病態学分野

この度、日本動脈硬化学会創設50周年記念大会(第54回総会・学術集会)を2022年7月23日24日に久留米シティプラザにて開催させて頂きます。

日本動脈硬化学会は動脈硬化性疾患の研究、診断、治療の発展、向上を図るとともに、国民に対する啓発活動を行うことを目的に活動しています(学会設立理念より引用)。その広報啓発活動として、1997年に高脂血症診療ガイドラインを発行して以来、動脈硬化性疾患予防・診療ガイドラインを5年ごとに改訂し、包括的リスク管理による予防の重要性を提唱してきました。最新のガイドライン2022は本記念大会において発表される予定です。

言うまでもなく動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患など)は国民の死因ならびに医療費の主たる部分を占めてきました。さらに、生活の質の低下(要入院、要介護)をもたらす主要疾患であることから、その医療対策の重要性が指摘されてきました。

私たちが動脈硬化性疾患の研究・診療の専門家が集う日本動脈硬化学会に参加させて頂いて30年近くたちましたが、この間、科学の進歩と診断と治療の向上によって本疾患に対する医療対策はかなり充実してきました。それでもなお、超高齢化による健康寿命の短縮(平均寿命と健康寿命の差の増加)の原因としての本疾患の重要性は高まっています。さらに、脳卒中・循環器病対策基本法の「循環器病対策推進基本計画」が策定され、動脈硬化性疾患の予防、啓発、研究開発などの切れ目のない医療政策推進が注目されます。今後、本疾患の予防・治療・啓発活動による健康寿命の延伸(元気な高齢者の増加)が加速することが益々期待されます。

このような最近の動向を踏まえて、今回のテーマを「健康寿命を延伸する動脈硬化サイエンスと予防ガイドライン2022」とし、研究、診療、ガイドラインなどの最新情報と話題の内容を盛り込みました。

本記念大会が医師、研究者、管理栄養士、臨床検査技師、薬剤師、看護師、医療系企業などの多職種の皆様の動脈硬化性疾患に関する理解が深まる機会になれば幸いです。

皆様の参加と交流を心よりお待ちしています。