第71回日本感染症学会東日本学術集会/第69回日本化学療法学会東日本支部総会[合同学会]

ご挨拶

 第71回日本感染症学会東日本地方会学術集会を開催するにあたりまして、ご挨拶を申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の世界規模での流行は続いており、様々な課題を抱えている現在、コロナ禍に屈せず第71回学術集会を開催することは、私にとって大変に名誉なことと考えております。本学術集会は、71回にわたる学術大会の歴史の中で、札幌では5回目の開催となります。札幌医科大学の関連では、塚本泰司先生が第49回学術集会を旭川で、そして、堤 裕幸先生が第64回学術集会を札幌で開催しております。感染症の研究を盛んに行ってきたこの北の大地で、肌寒い季節にはなりますが、会場内は熱くなっていただけるように粉骨砕身いたします。
 本学術集会のテーマを「聡明叡智」といたしました。このコロナ禍においても感染症診療に携わってきた医療従事者や研究者は、初期には圧倒されそうになりながらも、次第に一丸となって、全てのことを聞き分け(聡)、全てのことを見分け(明)、全てのことに通じ(叡)、全てのことを知っている(知)という徳を持つが如く、誠実に対応してきたものと考えております。これからも、この四つの徳を胸に抱き感染症との戦いを続けていくことになります。そして、この学術集会においては、研究の積み重ねが感染症に対する未知な領域を明らかにし、また、この積み重ねを基礎として、さらに発展していくことが務めであると胸に刻む良い機会であろうと考えております。
 本学術集会では、臨床現場で役に立つ教育的、かつ、学術的な企画を主にし、現場主義を貫きたいと考えております。この領域に携わっていらっしゃる参加者の方に満足していただける内容の企画を盛り込みたいと考えております。
 時節柄、外は肌寒いのですが、北海道の建物の中はとても暖かく快適です。学術集会においては、快適に過ごしていただけるものと確信しております。

 会員の皆さま方のご参加を心からお待ち申し上げます。

第71回日本感染症学会東日本地方会学術集会
会長 髙橋 聡
(札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座)

 このたび、第69回日本化学療法学会東日本支部総会の会長という大役を仰せつかりました。札幌医科大学の高橋聡先生が会長をつとめられる第71回日本感染症学会東日本地方学術集会との合同学会として開催させていただきます。
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の状況はまだまだ見通しが立ちません。本合同学会が開催される北海道は寒い時期に入っていますが、札幌の地での対面開催を目指して準備を進めております。
 全世界を震撼させることになったこの感染症の大流行で強く感じているのは、情報を早く得たいという市民感情です。感染の波だけでなく、全く新しいmRNAワクチンの波がおとずれ、そして今後は経口抗ウイルス薬の波が押し寄せることになります。巷には情報があふれ、検証されていない危うい情報が、遅れがちになる正しい情報を凌駕してしまいかねません。
 本合同学会のテーマである「聡明叡智」は、知識をもち、それらを深く理解し、さらに人々のために役立てていくというメッセージと私なりに理解しています。この様な時代に感染症にかかわる学会の役割は以前に増して重くなっていることは言うまでもありません。情報の収集、整理、発信をうまく回していくことがますます求められていると痛感しています。
 確かに、インターネットを介した国際的な情報の共有やゲノム解析の著しい進歩が今のCOVID-19問題解決に多大な役割を果たしています。一方で、2003年のSARSや2009年のA(H1N1)pdm09 インフルエンザの経験が、この感染症に対峙するための多くの助けを与えてくれたはずです。
 本学会が情報共有、そしてさらなる大きな力をもたらすことの一助になればと願ってやみません。月並みながら、外は寒い札幌の地で、会場内は密にならないよう配慮しながらも熱い学会となることを楽しみにしています。
 会員の皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

第69回日本化学療法学会東日本支部総会
会長 横田 伸一
(札幌医科大学医学部微生物学講座)