第28回日本心血管インターベンション治療学会学術集会 CVIT2019

 
 
 

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会長挨拶

“Welcome to CVIT2019”

第28回日本心血管インターベンション治療学会学術集会:CVIT2019
会長 尾崎 行男
(藤田医科大学循環器内科)
会長:尾崎行男(藤田医科大学循環器内科)

皆様のお陰を持ちまして、CVIT 2019学術集会の大会会長を拝命した尾崎でございます。2019年9月19日 (木) ~ 21日 (土)に名古屋国際会議場において学術集会を開催させて頂くこととなりました。ありがとうございました。

今回のテーマは ”Innovation for Optimal Patient Care”とさせて頂きました。PCIを振り返りますと、1977年9月16日Zurich (Swiss)でAndreas Gruentzigらにより始められたバルーンを用いた冠動脈インターベンション(PCI)は、1986年早春よりUlrich Sigwart や Jacques PuelらによりBMSが導入され、1999年12月13日にはEduardo SousaやPatrick SerruysらによりDESの人類初の植え込みが行われ、2006年3月7日よりJohn OrmistonやPatrick SerruysらによりBRSが臨床応用されました。BRSに関しては現在、停滞しているものの、DESに関しては成熟期に入り、その優れた臨床成績が報告されています。一方、そのDESにおいてもdual anti platelet therapy (DAPT)の期間に関しては、AF合併患者でOACやNOACを使用している患者、あるいは高齢者などいわゆるhigh risk bleeding (HRB) patientにおいて至適DAPT期間が大きな問題となり、これに応えるべくいくつかの無作為試験がヨーロッパを中心に進行中です。一方、病変形態により治療成績に大きな影響を与えるCTO、LMT、small vessel、bifurcation、multivessel diseaseなど optimal resultsを得るためPCIが克服しなければならない問題も山積しています。

冠動脈以外のインターベンションに目を向けますと、そもそも冠動脈疾患(CAD)患者では、末梢動脈疾患(PAD)の合併が多いことはREACH研究を参照するまでもなく、よく知られた事実であり、このことから近年EVTデバイスも大きく進歩しています。

さらに、近年ではTAVIに代表されるstructure heart disease (SHD)が、高齢社会の到来とともにその需要が増加し、TAVIに注目があつまることで、経皮的ASD閉鎖デバイス、MitraClip、経皮的左心耳閉鎖デバイスなども各社から考案され、すでに日本でも臨床応用が始まっているもの、今後市場に出回るものも目白押しです。さらに新しい左室補助デバイスである、経皮的LVADも日本で臨床応用が始まりました。

また、近年のPCIに関してはCOURAGE trialの結果に示されるように、PCIの施行、未施行に関わらず、冠動脈硬化を持つ患者においてはoptimal medical therapy (OMT)が必須であり、OMTを構成する糖尿病、脂質異常症、高血圧、禁煙に対する薬物の重要度は増すばかりで、特にスタチン、PCSK9、SGLT2、DPP4などの新しいエビデンスはCVIT会員においても聞き漏らせない情報となっております。

これらを踏まえ、CVIT 2019のテーマは ”Innovation for Optimal Patient Care”とさせて頂きました。本年に引き続き、多領域において、適切かつ質の高いインターベンション技術を究めつつ、OMTに必要な知識も確実なものとし、”Take Home Message”の多い学会にしたいと思っておりますので、皆様、ご参加くださるようお願い申し上げます。

それでは、2019年9月19日 (木) ~ 21日 (土)、名古屋でお待ちしております。