協会会長挨拶

公益社団法人 全日本病院協会
会長 猪口 雄二
(医療法人財団寿康会 寿康会病院 理事長)
猪口 雄二

 第64回 全日本病院学会in広島を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症という百年に一度とも言われる新興感染症は、様々なフェーズを経て、引き続き油断することは出来ませんが、ようやく平常を取り戻しつつあるように感じております。
 そのような中で、2022年10月に開催しました第63回全日本病院学会in静岡は、3年ぶりに現地開催となり、会員の皆様や多くの関係者の方と対面でお会いすることが出来、感慨もひとしおでした。静岡学会に関わられた全ての皆様方に改めて感謝申し上げます。

 さて、今後は、コロナ禍により明らかとなった医療・介護の諸問題の解決に向けて、様々な動きが加速していくものと思われます。有事の際の医療提供体制を確保するための感染症法の改正、医師の働き方改革、地域医療構想、医師確保計画、第8次医療計画など、医療機関にとって極めて重要な施策が進められます。更には、医療DXの推進や2040年を見据えた全世代型社会保障制度の構築など、コロナ禍で止まっていたものが一斉に動き始めています。さらに、2024年度には、経営状況を大きく左右する医療・介護・障害のトリプル改定も控えております。

 このような状況の中で、大田泰正学会長のもと、「未来の子どもたちへ~脱高齢ニッポン!~」をテーマとして、昭和61年以来、37年ぶりに広島県で第64回全日本病院学会が開催されます。令和の時代となり、私ども全日本病院協会の次世代を担うであろう若手の会員の先生方が中心となって、未来志向の学会が企画されますことは、大変感慨深いものがあります。
 ともすれば「高齢化」という単語に囚われて、閉塞感を持ってしまいがちな既存の医療・介護のシステムを、「未来の子どもたち」のために、多様な価値観を認めて、成熟したシステムに変えていくための、きっかけとなる議論が、数多く行われる学会となることを期待しております。

 最後に、本学会の開催に向けて準備を進めていただいている大田学会長、藤原恒太郎実行委員長をはじめ、全日本病院協会広島県支部の皆様のご苦労に深甚なる感謝を申し上げるとともに、皆様方の多数のご参加を心よりお待ちしております。