会長挨拶

第36回日本医療薬学会年会
年会長 崔 吉道
(金沢大学附属病院 教授・薬剤部長)
この度、第36回日本医療薬学会年会を2026年11月21日(土)~23日(月・祝)の3日間、石川県立音楽堂をメイン会場として開催する運びとなりました。
本年会のテーマは、「2040年の社会課題を解決する医療薬学の融合研究~すべての薬剤師が集う学術的基盤を目指して~」です。
2040年に向けた社会課題としては、高齢者のさらなる高齢化や出生数の低下、生産年齢人口の急減といった人口構造の変化、医療・介護をはじめとする社会保障制度の逼迫、自治体機能の低下、社会関係資本の希薄化、地域格差の拡大などが挙げられます。これらの課題は相互に密接に関連し合う、複合的かつ多面的な問題です。
これらを解決するためには、新たな地域医療構想を支える医療人材の確保と育成、病床機能分化に伴う薬剤師業務の再設計とアウトカム評価、入院・在宅・外来・介護をつなぐ医療連携における職能発揮モデルの構築、介入効果の測定、診断・治療・薬剤管理の一体化モデルの開発、医療DXやICT機器の活用、地域志向薬学教育カリキュラムの開発、多職種連携教育と実務実習の統合設計、キャリア形成プログラムと薬剤師偏在対策の制度設計、政策提言・制度設計に関する研究など、地域医療連携、産学官連携、医工連携などあらゆる方面での多様な融合研究の推進が必要です。
本年会が、病院、診療所、薬局、在宅、介護医療院、国・地方自治体・保健所、大学・研究所、製薬・化粧品メーカー、医薬品卸、薬科機器、医療機器、医療情報、物流など、医療と健康に関わる全ての薬剤師、薬学研究者、薬学教育者、薬学生、行政担当者、企業研究者、CRC、その他の医療職・介護職、さらには地域住民も交えた、広範な意見交換・討論・学び・発見・交流の場となり、医療薬学の未来に向けた新たな出発点となることを心より願っています。
本年会では、今後のさらなる参加者増と年会に対する多様なニーズの受け皿となるため、従来の現地でのシンポジウム、一般口頭発表、ポスター発表に加え、デジタルポスター(ミニオーラル)、リモートポスターなど新たな発表形式も準備しています。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

