ご挨拶
日本睡眠学会第51回定期学術集会
開催にあたって
- 日本睡眠学会第51回定期学術集会
- 会長 三島 和夫
秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

このたび、2027年7月29日(木)、30日(金)の2日間、パシフィコ横浜ノース(横浜市)におきまして、日本睡眠学会第51回定期学術集会を開催させていただくこととなりました。テーマは「睡眠学を切り拓く学際的研究」といたしました。
私は1980年代後半に本学会の会員となり、30数年にわたり学会の歩みを見てまいりました。この期間は幸運にも我が国の睡眠研究と睡眠医療が大きく発展した時期と重なり、その成長は会員数の増加のみならず、会員の研究領域や職域の多様性にも表れております。さらなる進展のためには、多分野横断的な学際的研究の一層の推進が求められていると考えます。
学際的アプローチの重要性は、2002年(平成14年)に日本学術会議が「睡眠学の創設」を提言した際に明確に指摘されました。睡眠学はそこで、「睡眠科学」「睡眠社会学」「睡眠医学」の3つの柱からなる学際的な研究領域と定義されました。AI/IoTやウェアラブルによる睡眠計測を支える生体工学・情報科学、子どもの発達への影響を扱う教育学・小児科学、睡眠関連サービスの社会実装を担う臨床医学・消費者心理学との連携などは、その代表例といえましょう。
本大会のポスターには、青い海に身体を立てたまま眠るマッコウクジラを描きました。この眠りの姿が明らかになったのは、鯨類学に動物搭載型の記録タグの技術がもたらされてからでした。分野の出会いが、それまで誰も見たことのなかった睡眠を可視化しました。三角形の3辺に配した Sleep Science、Sleep Medicine、Sleep Sociology と、これを貫く睡眠経過図は、3つの柱が結ばれてこそ睡眠学は前へ進むという願いを込めたものです。
日本睡眠学会には、学際的研究を実践する基盤が確かに存在しています。その力を最大限に引き出すには、分野を越えて出会い協働する有機的な枠組みが必要です。本学術集会を、学際的研究が求められる代表的な領域について徹底的に議論し、最新の知見を共有する集合知の場としたいと考えております。ご自身の専門領域はもちろん、隣接する領域の議論にこそ足をお運びいただければ幸いです。
皆様の多数のご参加を、心よりお待ち申し上げております。
2026年9月吉日