第119回日本精神神経学会学術総会 第119回日本精神神経学会学術総会

会長挨拶

第119回日本精神神経学会学術総会
会長 伊豫雅臣

千葉大学大学院医学研究院精神医学 教授
千葉大学社会精神保健教育研究センター長

第119回日本精神神経学会総会を2023年(令和5年)6月22日(木)から24日(土)にかけて横浜市・パシフィコ横浜ノースで開催させていただくことになりました。このような伝統のある総会を開催する機会を頂き、この上ない喜びとともに身が引き締まる思いでございます。千葉大学医学部が主催した総会は第55回(1958年)の荒木直躬先生(第3代目教授)のみとなります。また第119回の開催地は既に決まっていたため千葉県内ではありませんが、千葉県内の精神科医の皆様や当教室の同門の皆様とともに会の成功に向けて尽力していきたいと考えております。

第119回のテーマは「今と未来を見つめる精神医学~目の前の患者さんに最善の医療を提供し、将来さらに良い医療を提供できるように努力する~」としました。私が精神科医になってから40年程経ちます。この間、精神疾患への薬物療法や精神療法、物理療法など大きく進歩してきました。また精神障害の方々を地域で支える体制もまだまだ不十分とはいえ、少しずつですが整ってきていることを日々の臨床で実感しております。一方で、今目の前にいる患者さんに対して、現在存在するベストの治療法を、そしてベストの支援方法を提供できているのかと悩むことが多く、また、もっと良くしてあげられないのか、もっと良い治療法はないのか、もっと患者さんが生きやすい支援方法を作っていけないのかと考えない日はないのが現状です。患者さんの希望を受け入れ、ベストを選択していくためには十分な知識に加えて多くの仲間の体験を共有していくことが大事だと思います。そしてunmet needsを把握し、あらゆる視点から解決方法を模索し、研究を積み重ねていき、画期的な解決方法を創生していくことが重要と思います。さらに、精神医学、精神医療の進歩は就労や教育、家庭、スポーツ、パフォーミングアーツなど社会の様々な場面でのメンタルヘルスの向上にも大きな貢献をしていけると考えており、より住みやすい社会の実現にも我々精神科医が積極的にかかわっていく時代となってきていると思います。これらを推進していくためには、精神医学、精神医療に携わる人たちで集まって知識や意見、発見を交換していくことが極めて有用と考えています。

2019年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行は続いており、本学会総会も大きな影響を受けてきました。しかし、予防法や治療法も確立してきて、徐々に収束に向かってきているのではないかと考えております。2023年の総会では全国の精神科医の方々に本学会総会に集っていただき、今と未来の精神医学、精神医療について熱く語り合っていけることを強く期待しています。

ぜひ現地でお会いしましょう!
よろしくお願いいたします。

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