第39回日本小児救急医学会学術集会

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第39回日本小児救急医学会学術集会

会長挨拶

会長: 伊藤 陽里

第39回日本小児救急医学会学術集会
会長  伊藤 陽里
医療法人社団石鎚会 京都田辺中央病院 副院長

 このたび2026年7月25日(土)、26日(日)の両日にわたり、京都の同志社大学今出川キャンパスにて第39回日本小児救急医学会学術集会を開催させていただくことになりました。実は、本学会は京都とは縁が深く、1987年の創設(当時は日本小児救急研究会)に際しては故・水田隆三先生(京都第二赤十字病院小児科部長)が大いに尽力され、その功績から1999年に「水田隆三記念賞」が制定されました。また、水田先生から直々に薫陶を受けた長村敏生先生(京都市子ども保健医療相談・事故防止センター長)は学会理事長を長年努めてこられました(2017~2025年)。今回、この京都の地において学術集会を主宰する機会をいただいたことは非常に感慨深いものがあります。同時に、医育機関や研究機関ではない、臨床現場の一医師が重責を担うことに強い緊張感を感じつつも、大変光栄なことと感謝しております。

 今回のテーマは“coordinationで子どもの命を救う”としました。医療現場に限らず、私たちは日々、連携の難しさやもどかしさを感じる場面に直面します。 “あと一歩の協力があれば、もっと良い結果につながったのでは”と感じる事も少なくありません。ひとりひとりの高い専門性を“繋げる”ことが出来れば、国の宝である大切な子ども達の命を今よりもっと救えるはず-、そんな理想を込めて今回のテーマを掲げました。小児科医というgeneralistがさらに求めるべき様々なsubspecialtyのspecialistsの知見、境界領域における他科のspecialistsの知見、看護師、救命士、薬剤師、臨床工学士など多職種の方々の知見、子どもの生活を最前線で見守っておられる教育現場の方々とそこに関わる小児科医からの知見、そして先輩医師の方々とこれから先輩となる医師の方々のそれぞれの世代の知見、それらをcoordinateする試みを、本学術集会の中に盛り込んでみました。また、災害時医療の分野においては、特に医療的ケア児など、在宅で緊急支援を必要とする「脆弱性の高い子どもたち(vulnerable children)」への対応を、第38回学術集会からの継続テーマとして取り上げます。本学術集会で得られる新たな知見が、皆様の日々の小児救急医療に少しでも役立つ事を心より願っております。

 特別講演では、八田英二同志社総長・理事長をお招きしております。ご講演を聴いて頂いた後は、国の重要文化財に指定されている赤煉瓦の建物にあふれた同志社大学今出川キャンパスをぜひ散策してください。また文化講演として、河村能舞台、河村純子様に能楽に関するお話を頂きます。能の世界に触れ知的好奇心を満たし、古都の風情を味わって頂ければ幸いです。そして学術集会終了後には、祇園祭の熱気が残る盛夏の京都の街も(少し暑いとは思いますが)どうぞお楽しみ下さい。

 本学術集会を準備するにあたり、コンベンションリンケージ社様、学校法人同志社様、そして医療法人社団石鎚会職員の方々を始め多くの方々に多大な協力を得ています。京都での学術集会が皆様にとって実り多い時間となりますように、運営スタッフ一同心を込めて準備を進めております。皆様とお会いできることを心より楽しみにしております。