第34回日本心血管画像動態学会

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会長挨拶

道下 一朗
第34回日本心血管画像動態学会
会長 道下 一朗
(横浜栄共済病院)

 この度、第34回日本心血管画像動態学会会長を仰せつかり、ここにご挨拶申し上げます。伝統ある本学術集会のお世話をすることとなり、大変光栄であるとともに身の引き締まる思いです。例年、大学の先生が大会長を多く務められてきており、当院のような小さな一般病院が大会長を開催するには、皆様のご協力なくしては成しえないものと考えています。多くの方にご迷惑をかけながらになるとは思いますが、どうかよろしくお願いいたします。

 2024年1月12日(金)・13日(土)の2日間、綺麗で天井の高い会議場がある横浜パシフィコノースで開催させていただく事となりました。ここ3年間は新型コロナ感染症で、学会運営も厳しくHybrid開催が多く行われてきました。しかし今回は何としてもon siteで、会員が揃って集い意見を述べ、論議する場にしたいと考えています。

 本学術集会のテーマは、‘ Vulnerable plaque 再考 ’といたしました。
Ischemia trialで明らかになった様に安定型冠動脈疾患(CCS)は今後、診断から治療まで、すべてが変わる時代となりました。PCIにおけるゲームチェンジャーが起こったのです。今までは有意狭窄か否か、量の診断でただ有意狭窄ならばそれを拡張すれば良かったのですが、今後は冠動脈狭窄の質を評価し、まず薬物療法、その治療とともに、悪化したVulnerable plaqueのみを見極め、治療すべき時代となったのです。安定した石灰化線維性狭窄は、有意狭窄でも徒に拡張することなく、薬物治療しながらplaqueの経過観察をする、そのためにはplaqueの質的診断が重要となります。まさに心血管画像動態学会の真骨頂と考えます。画像診断検査技術の進歩により、今まで描出が困難であった病変・病態の検出、詳細な観察が可能となってまいりました。治療しなくともよい狭窄を鑑別し、治療が必要な真のvulnerable plaqueを同定する。これには最近格段に進歩した冠動脈CT, MRI、FFRCTが大きく寄与する可能性があり、患者さんに侵襲的検査することなくvulnerable plaqueの同定と、薬物治療が可能となってきました。現在まさに、冠動脈内のイメージデバイスであるOCT, IVUSと、機能検査FFRが融合しさらなる確かな診断デバイスとして使われ、さらに低侵襲化としてのCT, MRI,RI, FFRCTの進歩がみられる現状です。

 本会は、日本心血管内イメージング研究会、日本冠内圧研究会の流れを脈々と引き、画像検査と機能検査の融合を目指し、さらに日本心臓血管放射線研究会と共同開催することにより循環器内科医、放射線科医、検査技師、放射線技師が一堂に会して意見交換できる大変貴重な学会となっております。また、今回は、神奈川県下で活躍するコメディカルを中心に、国内の放射線技師、臨床工学技士、看護師などコメディカルも集い、コメディカル自身で論議する場も設けました。

 今後の循環器領域の指針として、心血管画像の在り方、心血管動態の在り方、心血管病治療の在り方を真に討議し、本領域の医療の発展に少しでも役立てる時間を過ごしていただければと考えております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。