第38回JSCRS学術総会

ご挨拶

松島 博之

第38回JSCRS学術総会

会長 松島 博之

(獨協医科大学眼科学教室)

第38回JSCRS学術総会を担当させていただくこととなりました。この様な貴重な機会を与えていただいた本学会の会員の皆様および理事・評議委員の皆様に感謝申し上げます。

ここ数年のCOVID-19の影響は大きく、眼科診療、研究、日常生活にまで大きな変化を及ぼしました。以前は海外学術集会の現場で新しい情報に心が躍り、国内学術集会ではさまざまな刺激と交流があり、各々の分野の眼科医が様々な目標を目指して日々の診療、研究に従事していた様な気がします。出張した先では新しいアイディアが生まれ、通常では話すこともできないような高名な先生とディスカッションできるなど不思議な空間と感覚が存在しました。しかしこの3年間、これまで出来たことが色々と制限され、診療、研究に対するモチベーションも全体的に下がっている様に感じます。特に研修医を中心とした若手医師は、ライブの学会に参加する経験も少なく毎日を過ごしていることが不憫にさえ感じてしまいます。

過ぎたことは取り返すことが出来ませんが、現状に満足していては何も変わりません。ただ日常を無難に過ごすのではなく、さらに高みを目指して新たな一歩を踏み出さ無い限り、何も変わっては行きません。日本が眼科先進国として国際的にさらに躍進するための高い意識を持った臨床医や研究者を育成出来る様な環境をこのJSCRSでも構築して行きたいと考えています。

今回は眼科に携わる医師、研究者、視能訓練士、看護師としての現状に満足せずさらに一歩踏み出して欲しいとの思いを込めて「Plus Ultra(さらに向こうへ)」をテーマとしました。これはスペイン国王であったカルロス1世の言葉でスペインの標語にもなっています。皆さんの中にはある有名な日本のアニメで出てくる言葉としても印象にある方も多いと思いますが、わかりやすく印象的で前向きな目標として今回のテーマといたしました。

2023年はこれまでとは違った新しい一歩を踏み出す年にしたいと考えています。皆さんと一緒にこの学会を新たな臨床テーマ・研究テーマを発見し躍進するきっかけとなるような、心に残る学会にしたいと思います。大志を抱いて北の大地「札幌」で皆さんをお待ちしています。よろしくお願いいたします。

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