第37回JSCRS学術総会

ご挨拶

大内 雅之

第37回JSCRS学術総会

会長 大内 雅之

(大内雅之アイクリニック 院長)

第37回JSCRS学術総会を主催させていただくこととなりました。はじめに、この機会を お与え下さいました本学会の会員の皆様方に心より感謝申し上げます。

国内でも数多い眼科関連学会の中でも、JSCRSには特色があります。一点目は、白内障眼内レンズ手術という、最も多くの眼科医師が携わる手術の関連学会であると言う点です。この手術を上達したいと考える眼科医師は、圧倒的な数になり、毎年JSCRS総会の参加者数は、専門学会の中でも群を抜いています。そしてもう一点、この学会の参加者は、個人に内在するモチベーションが高く、多少の逆風が吹いても「毎年ここに来て、楽しみながらupdateする」という気持ちは変わらない、所属組織のバリエーションにも富む一人一人のJSCRS愛が、学会を支えていると言う点です。

そのような中、久しぶりのフルリアル開催となる本会開催に、私は、会長として、二つの大きな思いを抱いています。
一つ目は、本会のテーマ「術者の良心。向上心」。

この何の捻りも、洒落たインパクトも無いキャッチに、私が込めた思いは、眼科手術に携わる全ての人に、もう一度胸に問うていただきたいメッセージです。患者さんの眼に、漫然と行って良い手術は1つも存在しません。そして、この学会は、白内障分野を専門とする手術医だけの学会でもありません。所属や専門分野に関わらず、日常的に人の眼に眼内レンズを移植している医師ならば、この手術を学ぶ場に来て、自身の手術を見直しbrush upする、という尊い倫理感を皆に共有して貰いたいと言う、これは私の祈りです。白内障眼内レンズ、屈折矯正手術を、国内で最も正しく、そして最も高いレベルで学べる場がJSCRS学術総会です。

もう一つは、不景気に加えてコロナ渦、オンライン講演など全てが縮小方向に動く中、私は今回のJSCRSをきっかけに、「もう一度、学会が華やかな非日常感の中で学ぶ、心躍る場だった頃を、皆に思い出してもらいたい」との壮大な思いを抱いています。

手術に大切な、データと感性。両者を満たす充実した学術講演とパーソナルコミュニケーション。そして高揚感をも誘い、全ての参加者の心に残る学会になるよう、精一杯準備して、皆様のご参加をお待ちしています。

2021年9月吉日
第37回JSCRS学術総会
会長 大内 雅之