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第74回日本病院学会

ご挨拶

楠田 司

楠田 司
伊勢赤十字病院 院長

 本年2024年7月4日(木)5日(金)の2日間、三重県において第74回日本病院学会を開催させていただくことになりました。三重県での開催は、1985年以来の実に40年ぶりとなります。会場としては津市の三重県総合文化センターを予定しております。

 さて、わが国は、超高齢社会、人口減少社会へと着実に進んでいます。第一次ベビーブームの団塊世代がすべて後期高齢者となる2025年問題は、医療費・介護費をはじめとする社会保障費の増加や、医療・介護ニーズの変化、労働力人口の減少、そして経済規模の縮小などの課題を我々に突きつけました。そしてこの課題は、高齢者人口がピークを迎える2040年問題へと引き継がれることになります。2040年には65歳以上の人口が35.3%、75歳以上の人口が20.2%、労働力人口については956万人もの不足が推計されています。医療・福祉人材の増加は見込まれているものの、今後増加する高齢者の医療需要への対応という問題を考えると、医療提供の持続可能性という点で医療体制は今大きな転換期を迎えようとしています。

 そこで本会のメインテーマを、1300年続く伊勢神宮の式年遷宮にまつわる「常若(とこわか)」という言葉を用い、「常若:継承と刷新の医療システム」といたしました。「常若」とは神道由来の概念です。緑の森は樹木が芽吹き、葉を繁らせ、落葉し、そしてまた新たに芽吹くことの繰り返しで維持されます。新陳代謝を繰り返して常に若々しく瑞々しくあり続ける自然界の在りように倣い、物事の本質を過去から現在そして未来へと永遠に連鎖させていく精神が重んじられてきました。同様に医療の分野においても、我々は病院を取り巻く環境の変化を早期に察知し、時宜に叶った体制へと都度刷新していくと同時に、供給困難に陥ることなく本質的で良質な医療を変わりなく提供し続けることを理想と考えます。ところが、予期せぬ新型コロナウィルス感染症によって想定より早い体制整備が求められることになり、流れに拍車がかかってしまいました。

 そして今年は、医師の働き方改革が施行されるとともに、診療報酬、介護報酬、障がい福祉サービス等報酬のトリプル改定、さらには第8次医療計画の初年度となり、地域医療構想では最終段階を迎えようとしています。

 このため、本会では今後の高齢者医療を含めた医療提供体制の在り方や医療介護の連携体制、さらには医療者の効率的で負担の少ない働き方のための環境整備などDXを含めた病院の様々な取り組みを総合的に議論できるように企画いたしました。各医療機関の目指すべき方向性を探るにはまたとない機会と考えます。

 なお本会では、日本病院会会長、日本医師会会長から御講演を賜るとともに、特別講演として、日本赤十字社副社長 鈴木 俊彦氏、神宮司庁広報室 音羽 悟氏、ビジョンケアグループ代表 高橋 政代氏、奈良県立医科大学教授 今村 知明氏、早稲田大学大学院教授 和田 仁孝氏、MOON-X CEO/前Facebook Japan代表 長谷川 晋氏、エッセイスト楠田 枝里子氏と各界でご活躍の方々をお招きし、貴重なお話を拝聴できればと考えております。

 余談ですが、開催地の津市から伊勢市までは特急電車で30分ほどです。学会終了後は、伊勢神宮参拝とおはらい町やおかげ横丁の散策、足を延ばして伊勢志摩を巡るなど、三重県を満喫していただければ幸いです。

 皆様の多数のご参加をお待ちしております。

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