第69回日本病院学会

会期:2019年8月1日(木)・2日(金)学会長:田中 繁道(医療法人渓仁会 理事長)会場:札幌コンベンションセンター/札幌市産業振興センター

ご挨拶

学会長 田中 繁道

第69回日本病院学会
学会長 田中 繁道
(医療法人渓仁会、手稲渓仁会病院 理事長)

 第69回日本病院学会を、北海道札幌市において2019年8月1日(木)、2日(金)の2日間に亘り、札幌市コンベンションセンターをメイン会場として開催させていただくこととなりました。 日本病院学会が北海道で開催されるのは、1963年(学会長:奥田 義正 斗南病院院長)、1999年(学会長:西村 昭男 日鋼記念病院理事長)に続き今回が3回目となります。前回の開催以来実に20年を経過しておりますが、過去お二人の学会長に劣らないような有意義で実り多い学会にすべく鋭意準備を進めております。

人口減少、超少子高齢社会、疾病構造の変化、経済成長の停滞(財政の逼迫)などを背景に、診療報酬および介護報酬の抑制、地域医療構想策定や地域包括ケアシステム構築など社会保障制度も大きく変わり、私たちを取り巻く経営環境は激変しています。2018年には診療報酬と介護報酬の同時改定があり(2025年を前にした実質的に最終の同時改定といわれています)、第7次医療計画、第7期介護保険事業計画、第3次医療費適正化計画、新専門医制度がスタートしました。このように、医療が変革の時代の大きなうねりの中にあるという現状を踏まえながら、全国の会員病院の皆様とともに、これからの我が国の医療の在り方、病院の向かうべき方向性、真の病院経営とは何かを見つめ直さなければいけない時期を迎えています。「病床機能」、「地域(多職種)連携」、「地域包括ケアシステム」、「医療と介護」、「地域医療格差」、「医療の地域偏在」、「働き方改革」、「タスクシェアリング」、「タスクシフティング」、「チーム医療」、「医療とAI、ICT」、「先端医療」などなど、病院を取り巻く関心事は数多く存在します。

 団塊の世代すべてが後期高齢者になる2025年は「2025年問題」として大きな話題になりましたが、もはや私たちは誰もが経験したことがないその先の社会のありようを想定し、まさしく今までの延長線上にはない、不連続で革新的な医療体制の構築に戦略的に取り組まなければいけないのではないでしょうか。そこで、第69回となる日本病院学会のテーマを「その先の、医療へ」としました。2025年という一つの節目に向けた方向性を評価しつつ、激変する社会環境と医療経済環境の中で医療のパラダイムシフトにいかに対応し、さらには2025年以降の「その先の、医療」を展望した医療のあるべき姿について活発な議論や意見交換ができる場をご提供できればと考え、実行委員会はじめスタッフ一同、“ALL北海道”として取り組んでいるところでございます。

 なお、学会期間中の北海道は気候的にも過ごしやすく、自然を謳歌できる季節と言えます。また、札幌市においてはさっぽろ夏祭り期間中で大通り公園のビアガーデンをはじめ、多くの催しものが開催されております。夏の北海道の魅力を充分に味わっていただく機会にもなればと思っております。

 皆様の多数のご参加をお待ち申し上げております。