大会長挨拶

大会長

第55回日本理学療法学術研修大会2020inおおいた
大会長  河野 礼治

 本来であれば、第55回日本理学療法学術研修大会は、2020年5月23日、24日に開催予定でしたが、COVID-19の影響により2021年5月29日、30日に延期となりました。また、感染リスク対策を含めて、 新しい研修会様式としたオンライン形式となりました。基本コンセプトは、変わらず「100 年ライフへの対応」、「はたらくを目標とした理学療法の構築」、「臨床理学療法の確立」を主目標に考え、平均年齢 30歳台の日本理学療法士協会会員が求める研修大会を企画しました。

 現在、我が国は、「人生 100 年時代」を迎えており、個人のライフスタイルや働き方にも変化が訪れています。このような時代の中で、対象者の方々にだけでなく我々理学療法士も含めて、「変化」 への柔軟な対応力が重要になると考えられます。そこで、生きがいをもって100年ライフを過ごせるために必要な知識、技術を学べる内容を企画しています。

 そして、現在、「理学療法士」という職種だけでなく、個人においても、社会から評価・分析され、「選択される」時代となってきています。我々は、「立てる、歩ける」という単純な事を目標とするのでなく、対象者の方々の家庭や地域での役割、就労など「はたらく」という目標達成に向けて理学療法技術を提供していくことが、重要と考えます。これらの事より、様々な意味をもつ「はたらく」という事を目標とした理学療法を構築出来るような研修内容を企画しています。

 次に、臨床理学療法においては、SPDCA cycleに基づく評価及び分析から計画立案し治療を実践する基本的な部分に加えて、OODA loopのように、治療中における対象者の反応から理学療法を刻一刻 と変化させるプロセスが、必要となります。つまり、臨床理学療法においてはSPDCA cycleとOODA loopが、共存しているため、本大会ではこれらを考慮した研修内容を企画しています。思考と直感、計画と 臨機応変さといった、これら相反すると思われる事象を共存させることにより、理学療法士の臨床力はさらに向上すると考えます。

 また、事前学習の企画や大分県の特徴とする障がい者への自立支援を含む地域共生社会の提案、さらには、これからの地域づくりと理学療法士の関わり等についても企画しています。

 若い世代にとって、魅力的な研修内容を企画し、時代の変化に柔軟に対応できる人材の育成と、成果の出せる臨床理学療法の確立を目指すとともに、全国の理学療法士達が、新しい研修会様式を活かし て、研鑽すると共に、それぞれが自己の役割と向き合い、「理学療法」を社会へと発信していく機会となることを目指します。