第29回日本渡航医学会学術集会
会長 笠原 敬
(奈良県立医科大学 感染症内科学講座 教授)
第29回日本渡航医学会学術集会
会長 笠原 敬
(奈良県立医科大学 感染症内科学講座 教授)
このたび、「第29回日本渡航医学会学術集会」の会長を拝命いたしました、奈良県立医科大学感染症内科学講座の笠原敬と申します。歴史ある本学会の会長を務めさせて頂くこととなり、大変光栄に存じます。
思い返してみますと私は医学生の頃、国際保健や発展途上国の医療に興味があり、当時奈良医大にいらっしゃった西山利正先生の教室に研究生として所属させていただき、WHOのWeekly EpidemiologicalRecordを日本語に訳するという仕事(バイト)をさせていただいておりました。また2005年には長崎大学熱帯医学研究所が中心となって始まった21世紀COEプログラム「熱帯現地で熱帯病・新興感染症を学ぼう!」の第1回研修生としてフィリピンにて3週間研修に参加させていただき、その時にインストラクターとしてご指導いただいたのが日本渡航医学会現理事長の渡邊浩先生です。渡邊先生にはそれ以後も濃厚なご指導を賜り、2013年に当院に海外渡航者外来を開設する時にも甚大なるご支援をいただきました。
今回の学会のテーマは、「共に学び、共に創ろう、未来の旅を照らす新時代の渡航医学」といたしました。歴史ある本学会で若輩者である私を会長にご指名いただいた理由の一つには、人材育成があると考えております。「渡航医学」と聞くと、「どんなことをやっているのだろう」「どんな人たちがやっているのだろう」と少し敷居が高いと感じているかもしれない若い人たちに、一歩足を踏み入れられるきっかけになるような開かれた学術集会を目指したいと考えています。具体的には私の専門である感染症やワクチンはもちろんのこと、メンタルヘルスや慢性疾患の管理、医療保険やトラベルクリニックの開設・運営など幅広いテーマに加え、DXやAIといった最新のトピックスも取り入れたいと考えています。
今回の会場となる奈良県春日野国際フォーラム甍~I・RA・KAは、海外からの旅行者がたくさん訪れる奈良公園の中心にあり、東大寺や春日大社へも徒歩数分で行ける好立地です。また奈良はシルクロードの東の終着点とも言われています。 さらに2025年7月は大阪万博もちょうど盛り上がっている頃だと思います。渡航医学を勉強するにはうってつけの場所とタイミングで、皆様にお会いできることを楽しみにしております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます