ご挨拶

第10回日本うつ病学会総会を開催するにあたって

第10回日本うつ病学会総会
会長 中村  純
産業医科大学医学部精神医学教室教授

中村  純

記念すべき節目の第10回日本うつ病学会総会を北九州市の地で産業医科大学が担当させて頂くことになりました。この10年間でうつ状態・うつ病と診断された人は2.5倍増加して100万人を超えたと厚労省は報告しましたが、適応障害、アルコール依存症、認知症の前駆症状としてのうつ状態・うつ病など病像も多様化してきています。一方で疫学調査からは、なお数倍の患者さんがいることが推定されており、いまだに十分な治療を受けないまま不幸な転帰をたどっている人もいることが推察されています。そこで、本学会テーマを「多様化するうつ病の今とこれから」とさせて頂きました。

うつ病の生物学的な研究も随分進歩してきましたが、現実には平成10年以来の急増した自殺者の多くがうつ病に罹患していたとされ、この数年自殺者はやや減少しきたとはいえ、働き盛りの男性の自殺者は相変わらず多く、勤労者のうつ病の早期発見、早期介入、復職支援(リワーク)などは産業精神保健上の喫緊の課題になっています。診断に関してもDSM-5の導入、双極成分の評価など気分障害の診断も新たな局面を迎えています。さらに治療に関しては新規の抗うつ薬や抗精神病薬などの導入がなされ薬物療法も複雑化しており、電気けいれん療法だけでなく、認知行動療法や対人関係療法など心理療法の重要性が強調されてきていますが、それぞれの治療法に対して十分なエビデンスがあるわけではありません。

日本うつ病学会は医師、心理士、薬剤師、当事者など多職種を含めた会員によって構成されており、本学会の成果から一人でも多くの病んだ人々が社会復帰できるような知恵が見いだせればと願っています。

北九州小倉の地は、たいへん暑い時期でちょうど小倉祇園太鼓競演会の時期にあたります。町内のあちこちから聞こえる太鼓の音や、九州の味覚を十分楽しんで頂きたいと思います。そして、本学会が明日からの臨床に役立つことを願っています。

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