パネルディスカッション2-5「骨盤臓器脱」

司 会 梅枝 覚 (独立行政法人地域医療機能推進機構 四日市羽津医療センター 外科 大腸肛門病・IBDセンター)
石塚 満 (獨協医科大学 下部消化管治療センター)

骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse:POP)は骨盤内臓が下垂・脱出してくる疾患であり、直腸脱・直腸瘤・膀胱瘤・子宮脱・膀胱瘤に加え小腸瘤・膣断端脱といった多様な病態を呈する。骨盤底を構成している筋肉や靭帯の脆弱化に伴い臓器内蔵が下垂してくるため、骨盤底筋体操・生活指導などの保存的治療に加えQOLの悪化症例には手術が選択される。大腸肛門外科、婦人科、泌尿器科が扱う事が多く他科との連携した治療も必要となってくる。アプローチ法では経肛門的手術・経膣的手術・経腹的手術やロボット手術などが選択されている。高齢者に多い疾患でもあり、根治手術とリスクを考慮した手術が行われている。メッシュを用いた手術も欧米と国内では適応が異なりエビデンスに乏しい。実臨床においては保存的治療も含め、いかにして診断と治療において高いQOLと根治性を得ることができるか最新の治療戦略を述べていただきたい。