パネルディスカッション1-5「肛門科領域における女性医療のすべて―解剖から臨床まで―」

司 会 山口 トキコ (マリーゴールドクリニック)
馬場 真木子 (医療法人社団桃仁 日本橋レディースクリニック)

肛門診療を行う女性医師の増加や女性外来の設置が進んだことで、女性の受診者が増加している。しかし肛門科領域における性差医療について議論されることは少ない。当然であるが、解剖には男女差があり、直腸瘤、直腸膣瘻などは女性特有である。また痔瘻の頻度は少ないが、前方の痔瘻における進展様式に性差があるとの報告もある。若い女性には痔の原因となる便秘が多く、トイレの環境問題による便意のがまんなど、痔のきっかけは多様である。また妊娠や出産のライフイベントによって発症する痔もある。高齢になると肛門機能の低下に伴う便失禁を認めるなど、女性の一生において肛門疾患との関わりは密接であり、生活の質に関わってくる。このパネルディスカッションでは、ジェンダーを考慮した肛門科外来としての取り組みや女性外来の変遷と展望、および女性の解剖学的特徴から疾患を含めた臨床すべてについて幅広く演題を募集したい。