パネルディスカッション1-3「ゲノム医療の最前線」

司 会 沖 英次 (九州大学大学院 消化器・総合外科)
賀川 義規 (大阪急性期・総合医療センター 消化器外科)

「がんゲノム医療」は、がんゲノムプロファイルを把握し、がんの原因となる遺伝子の変異に基づいて診断や治療を行う医療である。近年、「がんゲノム医療」の発展により、大腸癌においても、各個人に最適な治療を提供することができるようになった。既に保険診療となった進行再発大腸癌では、大腸癌治療ガイドライン2022年版に「切除不能進行再発大腸癌の患者に対し,1次治療開始後から後方治療移行時までの適切な時期に,包括的がんゲノムパネル検査を実施することが望ましい」と明記され、がんゲノムプロファイリングを行うことで、より精密な治療選択が期待される。また周術期においても術前ならびに術後の補助化学療法の選択の補助として、今後さまざまな形でがんゲノム検査が活用されることが期待される。本パネルディスカッションでは、がんゲノム医療に基づく治療経験をもとに、今後の展望などについて討議いただきたい。