シンポジウム2-1「IBD診療におけるtreat to targetを考える」

司 会 松本 主之 (岩手医科大学 内科学講座消化器内科分野)
平井 郁仁 (福岡大学医学部 消化器内科学講座)

2010年代より、クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)の治療においてtreat to targetのコンセプトが普及している。その基本は、病態・病期別に具体的治療目標を設定し治療強化・変更を行いながら長期的寛解維持や合併症回避を目指すことである。実際に臨床症状、バイオマーカー、内視鏡的重症度、組織学的所見、QOLなどが至適な指標と考えられてきた。しかし、長期例や難治例において単一指標は不十分なことが多いため、AI解析を加えたより客観性の高い治療目標の設定も試みられている。一方、本邦では血中leucin-rich alpha glycoprotein(LRG)の位置付けが注目されており、CDでは小腸内視鏡所見も重要な指標である。そこで、本シンポジウムではいずれかの疾患、あるいは両疾患を包括的に解析した治療目標に関する研究成果をご報告いただき、今後のIBD診療のあり方を幅広く討論したい。奮って演題登録を頂きたい。