第30回日本臨床精神神経薬理学会

会長挨拶

第30回日本臨床精神神経薬理学会
会長 上野 修一
(愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学)
会長:上野 修一

 2020年の第30回日本臨床精神神経薬理学会を、令和2年11月5、6日に道後温泉近くの愛媛県立県民文化会館にて行います。総会会長として一言ご挨拶申し上げます。

 今回のテーマは、「一から考え直す薬物療法」としました。1950年代に本格的に導入された向精神薬は、少なくとも効果が同等以上で、副作用が圧倒的に少なくなった第2世代向精神薬に置き換えられつつあります。そして、広く用いられるようになった第2世代向精神薬は、多くの治験によるエビデンスから、対象となる精神疾患が広がり、利用されるようになってきています。また、薬物効果から疾患をみる研究が行われるようになり、これらは精神医学のさらなる進歩を引き出し、発展させています。その一方で、どの向精神薬を用いても改善されない難治性精神疾患を持つ患者さんがいらっしゃることも事実で、電気けいれん療法などの身体療法を追加したりすることも稀ではありません。加えて、精神発達障害や神経認知障害に対する薬物は、まだ、十分ではなく開発途上にあるところだと思います。近年、新しい診断基準であるDSM-5やICD-11が発表されましたが、診断基準と治療は一致する必要はないとはいえ、薬物の使用にあたっては診断も考えなくてはいけません。薬物療法に組み合わせる精神療法も発展開発されてきています。このような状況の中で、我々は、目の前の患者さんに対して、どのように薬物を選択し、効果を評価していくべきなのでしょうか。松山での総会では、各々の患者さんにあった薬物の処方について、基本にかえって検討してみたいと思っています。

 本学会総会が開催される11月は、愛媛の味覚を楽しめる良い季節であり、柑橘類生産量42年日本一の愛媛県で、みかんの最盛期を迎える時期でもあります。昼は、総会で発表し、質問し、討論し、夜は、少しくだけて胸襟を開き、食事しながら交流するのはいかがでしょうか。賤ヶ岳の七本槍のお一人である加藤嘉明が築いた松山城、坊っちゃんも入った道後温泉は会場のすぐ近くですし、少し足を伸ばせば、しまなみ海道をはじめとする美しい海や、石鎚山など四国山地の豊かな自然も満喫できます。第30回にふさわしい学会総会になるよう準備しておりますので、ぜひ、愛媛松山で、学会総会を満喫していただきたく存じます。

30th JSCNP [30th Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neuropsychopharmacology]