優秀査読者賞 Best Reviewer Award

和文誌優秀査読者賞

宮地 由佳
宮地 由佳 先生
京都大学医学部

この度は過分な賞を頂き、ありがとうございます。査読の機会を与えていただくことは、私のような駆け出し研究者にとって、「研究を世に発信するとはどんなことか」を何よりも学ぶことができる貴重な経験を与えていただくことです。査読のプロセスでの研究者の先生方とのやりとりでは、毎回、自分の力を試されているのを感じます。日本のプライマリ・ケアの学術的発展の一端を担うことができるよう、今後も自分自身のリサーチ・スキルを磨いていきたいと願っています。

平山 陽子
平山 陽子 先生
鹿浜診療所

毎日子育てに追われて研究に費やす時間がない中、せめて査読だけは断らないようにしようと思って引き受けてきました。今回のこのような賞をいただけてとても嬉しいです。

現場の視点から、読んだ人にとって役に立ち、患者ケアの向上につながるようにコメントを書かせていただいています。
忙しい中研究を行なっている著者の皆さんには本当に敬意を評します。
これからもできるだけ査読に協力し、学会誌の発展に貢献していきたいと思います。

丸尾 智実
丸尾 智実 先生
神戸市看護大学 在宅看護学分野

この度はこのような賞をいただきまして大変光栄に存じます。

私は「査読をさせていただくこと=投稿者の論文の第一読者・ファンになること」だと考えています。論文を拝読できる機会に感謝しながら、その研究や論文の専門家である著者に「素人目」から見てわかりにくいところを教えていただくつもりで査読のやり取りをさせていただいています。お忙しい中、研究に取り組まれている著者に敬意を払いつつ、論文がよりよいものになるように今後も査読できればと思っています。そして、著者に刺激を受けつつ自分自身も研究者として成長するとともに、プライマリ・ケアの発展に寄与できるように努力したいと思います。ありがとうございました。

英文誌優秀査読者賞

高村 昭輝
高村 昭輝 先生
金沢医科大学 医学教育学

この度は栄えある賞をいただき、大変光栄に思います。自らも論文を書く身として査読は非常に大きな山のように立ちはだかります。優秀な論文を無にしないように注意して査読するようにはしておりますが、価値観の違いなど如何ともし難い状況に迷うことも多いのが事実です。査読システムの限界ともいえるかもしれませんが、著者の思いを汲んで、建設的な査読ができるように今後も自分自身へも戒めていきたいと思っております。ありがとうございました。

吉年 俊文
吉年 俊文 先生
シンシナティ小児病院消化器肝臓部門 / 慈恵会医科大学臨床研究部/琉球大学臨床研究教育管理学講座/沖縄県立中部病院小児科

この度はこのような栄誉ある賞を頂き、大変嬉しく思います。

本学会の英文誌であるJournal of General and Family Medicine(JGFM)には、日常診療における疑問を紐解くべく熟慮されたリサーチ・クエスチョンとそのデザインが詰め込まれており、いつも興味深く査読させて戴いております。

さて、ピアレビューとはより良い論文を作り上げるための、筆者と査読者との共同作業であると私は考えています。私は市中病院で研修していたこともあり、初めての論文は本屋で見つけた臨床研究関連書を読みながら書き上げました。当時の原稿を顧みると、それはひどいものでしたが、査読者の方々が内容・体裁ともに1文ずつ指導して下さり、半年以上かけて雑誌にアクセプトされました。その時の感動は今でも忘れられません。その後、より良い論文を書き上げたいという想いが強くなり、慈恵医科大学臨床研究部の博士課程に進み、現在はアメリカへ臨床研究留学をしております。デザインや論文の体裁が幼稚だからとすぐに原稿を棄却されていたら、私の臨床研究への熱は失っていたと思います。私の人生は査読された先生方の熱心で温かい指導を受けたことで変わったのです。

初学者は誰でも、完璧なデザイン設定や論文の記載は困難です。経験に富んだ指導者が側にいるとも限りません。JGFMは、初学者でも査読者からの愛のある温かい指導が受けられるジャーナルです。その査読者とのやりとりを経て、将来的に患者への利益に繋がる論文が報告され、そして1人でも多くのPhysician scientistが生まれることを心より望みます。