シンポジウム2

Precision Medicineを目指した消化器診療の展望

司会
  • 小森 敦正
    (長崎医療センター 臨床研究センター)
  • 馬場 祥史
    (熊本大学病院 消化器外科)

ゲノム解析技術の飛躍的な進歩により、消化器疾患におけるゲノム変異の包括的な解析が可能となり、ゲノム情報から個々の患者の病態解明と治療法についてアプローチするゲノム医療の整備が進められている。特にがん診療においては、「がん遺伝子パネル検査」が保険収載され、それぞれの患者に合わせた精緻ながん診療、すなわちprecision medicineの提供の実現に一歩近づいた。

消化器疾患のprecision medicine実現には、遺伝子プロファイルのみならず、血中循環腫瘍細胞、細胞外小胞、circulating DNA、miRNAを標的としたリキッドバイオプシーや、microbiome、proteome、metabolomeを含むバイオマーカーのオミックス探索、AI(人工知能)を用いた医療などが資すると考えられるが、様々な観点からprecision medicineの展望について発表していただきたい。