第55回日本脊髄障害医学会[The 55th Annual Meeting of the Japan Medical Society of Spinal Cord Lesion]

会長挨拶

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第55回日本脊髄障害医学会

会長 加藤 真介

徳島大学病院リハビリテーション部 教授

このたび、第55回日本脊髄障害医学会を担当させていただくことになりました。本学会は同時期に開催されますパラリンピックとは密接な関係があります。

パラリンピックは第二次世界大戦後に脊髄損傷者のリハビリテーション医療の一環として英国で始まった運動会が発展したものであり、その際に開催された医学的討議の場が発展したのが国際脊髄学会 (International Spinal Cord Society: ISCoS)であり、ISCoSの精神を日本に広めるために設立されたのが日本脊髄障害医学会 (JASCoL)です。1964年の東京は「パラリンピック」という名称が初めて使われるなど、パラリンピック発展の礎となったとともに、日本で障がい者の社会参加が進む契機となるなど、現代日本の脊髄障害医療の原点の一つです。

いま、長年にわたって不可能と考えられてきた脊髄損傷に対する再生医療が、日本で臨床応用されようとしています。ただ、完全な機能修復までには道はまだ遠く、脊髄損傷者を受傷初期から包括的に治療・ケアするというISCoS・JASCoLの基本理念・脊髄障害治療の原点は揺らぐことはありません。今回の学会を、これらの原点を見つめ直し、新時代への礎にできればと思い、テーマを「原点回帰」といたしました。

第55回日本脊髄障害医学会 (JASCoL2020)は、パラリンピックの会期中の2020年9月5日に、競技会場へのアクセスの良い横浜の地で開催されるISCoS2020 (9月2-4日)に引き続き、同会場で開催します。両学会では、脊椎脊髄外科・泌尿器科・リハビリテーション科・神経内科などの医師ととも、多くのリハビリテーション専門職・看護師・研究者・患者団体が率直な意見を交わしています。毎年、ISCoSには1000名程度の参加者がありますが、今回は、さらに多くの参加予測されます。

日本の脊髄障害研究・医療は、多くの分野で世界の先端を進んでいます。一方で、職種間の連携、脊髄障がい者の社会での活動の面などでは学ぶことも多いと思います。今回は、日本の成果を発信するとともに、世界の趨勢を理解し、交流を深める絶好の機会だと考えます。ISCoS2020は学会本部が直接運営しておりますが、JASCoL2020、ISCoS2020の両方にご参加いただきやすいように配慮をいたしますので、多数のご参加をお待ち申し上げております。