協会会長挨拶

公益社団法人 全日本病院協会
会 長 猪口 雄二
(医療法人財団 寿康会病院 理事長)
第61回 全日本病院学会in愛知を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、医療・介護提供体制の見直しに関する施策が進められ、2018年度には地域医療構想を含む第7次医療計画の開始、診療報酬・介護報酬の同時改定、療養病床の受け皿となる介護医療院の創設、新たな専門医制度のスタートなどの改革が行われました。
本学会が開催される2019年度は、医師の働き方改革に伴う医師に対する時間外労働規制の制定、医療法・医師法改正に基づく医師偏在対策の開始、消費税率の引き上げ等、病院経営に大きな影響を及ぼす改革が予定されています。
10月の消費税率の引き上げによって、2025年を目指して進めてきた社会保障・税一体改革が完結すると言われていますが、既に2025年の先を見据えた2040年の社会を想定した社会保障改革の議論が始まっています。2040年には生産年齢人口の減少から外国人労働力の受け入れ、タスク・シェアリング、タスク・シフティング、ICTの活用を進めていかなければ病院運営は厳しいものとなるでしょう。
このような状況の中で、太田学会長のもと、「矜持~今こそ示せ、医療人のプライド~」をテーマとして本学会が開催されますことは、時機を捉えたものであり意義深いものと感じております。
2025年の先、2040年も我々医療人が、地域医療をプライドを持って守り続けられるよう、多くの会員病院と医療関係者の皆様が一堂に会して、我が国の医療の真にあるべき姿、その方向性について議論を交わし、地域医療に携わる全ての方々が明るく希望の持てる未来を共に考える場となることを期待しております。
最後に、本学会の開催に向けて準備を進めていただいている太田学会長をはじめ、全日本病院協会愛知県支部の皆様のご苦労に深甚なる感謝を申し上げるとともに、皆様方からの多数のご参集を心よりお待ちしております。