第39回日本エイズ学会学術集会・総会

熊本県知事挨拶

熊本県知事 木村 敬

第39回日本エイズ学会学術集会・総会が、ここ熊本県において盛大に開催されますことをお喜び申し上げますとともに、全国各地からお集まりの皆様を心から歓迎いたします。
 また、日頃から日本エイズ学会会員の皆様におかれましては、学術研究や普及啓発活動に熱心に取り組まれ、HIVの感染予防や、治療・ケアの充実に多大な御貢献をいただいておりますことに深く敬意を表します。

さて、全国のHIV感染者の新規報告数は、関係者の皆様の御尽力により、平成29年以降6年連続で減少していましたが、令和5年に増加に転じました。
 また、新規報告数全体に占めるエイズ患者報告数の割合は、令和6年には33.6%と、過去20年で最も高い割合となっています。これは、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う検査機会の減少等により、無症状感染者が十分に診断されていなかった可能性があり、その影響が懸念されています。
 熊本県は、この割合が全国平均よりも高い状態が続いており、HIV感染者の早期発見が、本県の重要な課題となっています。このため、保健所でのHIV検査に加え、医療機関による検査を実施するなど、検査機会の拡充に取り組んでいるところです。
 今後もSNSなどを通じてHIVに関する正しい知識の普及啓発に努めるとともに、エイズ治療中核拠点病院である熊本大学病院などと連携した医療提供体制の強化、早期発見・早期治療に向けた検査・相談体制の整備等に取り組んで参りたいと考えています。

このような中、第39回日本エイズ学会学術集会・総会が「HIV検査再考~HIV Testing Revisited~」をテーマに開催されますことは、誠に意義深く、その成果に大きな期待を寄せております。会員の方々をはじめ、御参集の皆様におかれましては、この機会に研究や交流を深めていただきますようお願いいたします。

熊本県は、日本三名城に数えられる熊本城をはじめとする歴史的建造物や、阿蘇・天草に代表される豊かな自然、おいしい食べ物などが多く、魅力あふれる県です。今回参加される皆様におかれましては、ぜひ、この機会に「火の国熊本」の魅力を存分に御堪能いただければ幸いです。

結びになりますが、今回の学術集会・総会が、皆様にとって実り多きものとなること、また、関係する全ての皆様の御健勝と御活躍を心から祈念して、挨拶とさせていただきます。

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