ご挨拶

このたび第14回日本うつ病学会総会・第17回日本認知療法・認知行動療法学会を合同開催させていただくことにあたり、ご挨拶申しあげます。

日本うつ病学会と日本認知療法・認知行動療法学会とが合同で大会を開催するのは、2015年以来2年ぶりになります。両学会はそれぞれの歴史と特徴をもって発展し、これまでも単独で数多くの大会を開催し、成功してきました。しかし一方で、医師や研究者のみならず、保健師、看護師、心理職、そして産業や教育の専門職など様々な領域の会員から構成されております両学会が、今回合同で大会を開催することの意義は、少なくないものと考えております。それは単に短期間でより広い分野の学術情報の収集や交換ができるといった効率の問題だけではありません。単なる2つの大会の足し算ではない、合同開催だからこそできるそれぞれの学会の特色を融合した企画や構成というものがあるはずと考え、シンポジウムや教育講演など、内容を充実させていきたいと思っております。

さて、今回のテーマは「サイエンスとアートの新たな融合」といたしました。「アート」は一般的に「芸術」と訳されますが、その他に「巧み、(専門の)技術」という意味もあります。今日の医学教育の基礎を築いたWilliam Osler博士(1849-1919)は、「臨床医学はサイエンスに基礎を置くアートである」という言葉を残していますが、これは、医療に限らず生身の人に携わる様々な領域の専門職において大切な共通の視点と言えます。いくら治療の有効性を示す「サイエンス」があっても、それを実践できる面接技能(アート)がなければ絵に描いた餅となります。逆に、いくら巧みな技能(アート)があっても、その診断法や治療法自体に妥当性・有効性を示す「サイエンス」がなければ意味をなしません。つまり、「サイエンス」と「アート」は車の両輪のように2つを両立させることが双方の発展には欠かせません。私たちが抱えている領域の課題に目をむけますと、うつ病や双極性障害の診断をめぐる問題、薬物療法や認知行動療法による治療反応の限界、認知行動療法の提供をめぐるunmet needs、予防的視点を取り入れた医療から他領域への応用など、解決すべき問題はまだ多く残されています。このような見地から、本合同大会においてこれらの問題解決に様々な領域の「アート」と「サイエンス」を融合させ、多くの方々にとって新たなきっかけを得る場となっていただけることを期待しております。

これまでの大会の活力を引き継ぎ、ご支援ご協力を賜れれば幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

第14回日本うつ病学会総会
会長 三村  將
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
第17回日本認知療法・認知行動療法学会
会長 中川 敦夫
慶應義塾大学病院臨床研究推進センター

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