平成22年4月22日-24日、鹿児島の地で第33回日本血栓止血学会学術集会を開催することになりました。この時節は、南国:鹿児島の海も山も一番美しい時候です。そのような頃に、皆様を鹿児島にお迎えするのは、私たちにとっても、大変うれしいことであります。
私たちは以下のような視点と意気込みを持って、この地での血栓止血学会学術集会を企画しております。
![[会長]丸山 征郎](images/pht_aisatsu01.jpg)
私たちのホームグラウンド「血栓止血分野」は、基礎では蛋白科学、細胞科学、酵素学、遺伝学等々を基盤としております。臨床では、循環器、感染症・炎症、癌、ショックなどに裾野を拡げております。特に最近は、血管生物学や炎症との関連の研究が盛んになってきました。こうしてみると、血栓止血学は広大な基礎と臨床をプラットフォームにした一大応用科学であることがわかります。すなわち、このプラットフォームでは統合知としての血栓止血学が熟成してきます。今回の学会では、臨床知と実験知が自在に行き交うこのようなプラットフォームを提供したいと思います。
円滑な循環と即時的止血反応は、生体の最も基本的な生存戦略でありますので、その解明と、理論と経験に立脚した知恵とワザの開発は、地球的規模の問題であるメタボリック症候群や老年医学という時代のキーワードに大きな寄与をするものと期待されます。世界でもっとも急速な“超高齢化社会―ing”の本邦において、私たちは“あなたも私も血栓か癌”という時代になりつつあります。そして実はこの2大疾患は、互いに密接に連動していることが判ってきました。否、換言すると、“癌”が生体内の異生物(エイリアン)として、宿主の生体防御系:すなわち我々の専門とする止血反応や血管系や炎症系をズル賢く“乗っ取っている”ことがわかってきました。この癌に対処するには、したたかなマキャベリ的方法が要求されており、ここでも我々は力を発揮しなければなりません。もちろん、私たちには、次々に生まれつつある抗凝固剤や抗血小板剤を巧く使いこなし、そしてさらにいい薬剤を開発して、“血栓制御学”を創造する課題も求められております。このような広範な要求に応えてゆくためには、いろんな周辺分野に“知的越境”を果敢に試みる必要があります。この学会ではこのような越境的スキャフォールドの場を提供したいと思います。
そして、いよいよ2011年には、池田会長のもと、国際血栓止血学会が開催されます。喩えていえば、“血栓止血学オリンピック”です。オリンピックの前には、強化合宿や高地トレーニング、予備選考会などが盛んで、次第にムードも盛り上がってきますが、鹿児島での血栓止血学会もこのようなプレリュードとして位置づけていただければ、と思います。さあ、風光明媚で味も飛びきりグーな南国での“血栓止血学強化トレーニング”の開始です。





