ご挨拶

日本睡眠学会第42回定期学術集会
会長 伊藤 洋
東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター

伊藤 洋

日本睡眠学会第42回定期学術集会 開催にあたって

このたび、第42回日本睡眠学会定期学術集会を2017年6月29日(木)・30日(金)の2日間、パシフィコ横浜(横浜市)にて開催する運びとなりました。私たち慈恵医大としましては、森温理先生が1982年に開催させていただいた第7回、2001年に佐々木三男先生が開催させていただいた第26回に次いで15年ぶり3度目の開催ということになります。また横浜での開催は第37回以来5年ぶりとなります。

25年前の第7回学術集会は、睡眠の重要性が未だ十分には認知されていなかった時代であり、参加者200-300名程度、演題数は50題に満たず、会場もA,Bの2会場のみであり慈恵医大内の施設で開催が十分に可能な状況でした。そしてPSGやCPAP治療の保険診療が始まり、睡眠呼吸障害の診療の本格的な幕開け時代であった第26回学術集会では、参加者数が1000名を超えるかどうかが関心事となり、学会会場も当時としては目新しかったお台場のホテルでA〜Eの5会場を使用し、150題以上の演題が集まり開催されたことも今は懐かしく思い出されます。その後も学会は、睡眠医療の拡大に一致して順調に発展し、日本大学の内山真先生が大会長を務められた昨年の第41回大会では参加者は2100名以上、演題数も400題近くに達しています。

今回の第42回学術集会のテーマは「Design of sleep: こころとからだのハーモニー」といたしました。
「我々が心身の調和を保ち、健全な生活を送るためには、自ら良好な睡眠を積極的に創造してゆく必要がある。そして現在社会においては睡眠を軽視せずより良く眠る事を計画する事が重要である。」という思いを込めたテーマです。

改めて申し上げる事でもありませんが、日本睡眠学会は最近10数年間で急速に発展してきた学会です。かつ、その会員構成は医師約1700名、歯科医師約350名、検査技師約1000名、その他看護師、心理士など約500名から成る典型的な学際的な学会です。本大会開催にあたりこうした異なる職種の学会員の、可能であれば全てのNeedsに対応可能なプログラム構成とは何か、我々なりに考えてきました。その結果、会長講演は行わず、学会主催者が招聘する外国からの招待講演者も最小限とし、それらに代わり各分野を代表する研究者による会長企画シンポジウムを計画しました。またシンポジウム数も必要最小限とし、全てのポスター発表者による、ポスター発表に先行したショートプレゼンテーションの設置など、そのプログラム構成にも我々なりの独自性を取り入れるよう努めました。初めての、ある意味では大きな構成変更を行うわけであり、参加者の皆様も若干の混乱や戸惑いを感じられるかもしれません。しかし、我々は今回の学術集会が、従来にも増して参加者の皆様にとって意味のある有意義な会になるよう努力する所存です。皆様の多数のご参加を心よりお待ち申し上げております。