開催会場

ピアザ淡海
〒520-0801
滋賀県大津市におの浜1丁目1番地20号
TEL : 077-527-3315
FAX : 077-527-3319

第33回日本精神科診断学会

会長挨拶

山田 尚登

 平成25年11月7〜8日の両日、滋賀県大津市のピアザ淡海 滋賀県立県民交流センターに於いて、第33回日本精神科診断学会の学術集会を開催いたします。本学術集会のテーマは、「診断とは何か 〜臨床で生きる診断とは〜」とさせていただきました。精神科診断学に興味をお持ちの多数の参加を期待しています。

 精神科臨床においては、診断は常に暫定診断とならざるを得ません。他科では、特定の原因、病態生理、症状、経過、予後、病理組織所見などの共通の疾患単位が明らかにされており、診断の妥当性について画像や病理などによる答え合わせが存在します。精神科領域では未だ成因論すら確立されたものがあるわけではなく、診断は障害レベルに留まっているのが現状です。しかし、自殺者の増加を筆頭に精神科医療に対する期待と失望が高まっている状況で、精神医療に対する信頼の獲得は急務となっています。目の前の患者さんを治療するにあたり、根拠に基づいた妥当性のある診断に基づき、早期に障害から回復させることが、日本の精神医療が国民の信頼を勝ち得る方法であると考えます。精神科診断学という見地からこれに取り組みたいと考え、「診断とは何か、臨床に生きる診断とは何か」、というテーマといたしました。
 今年は、DSM-5が米国精神医学会から本年の5月に発表され、日本精神科診断学会にとっても記念すべき年となります。DSM-IIIが発表されてから30年以上の年月が経過し、米国精神医学会が取り入れた画期的な診断技法であった操作的診断が新たなる進化を遂げようとしています。しかしながら、その進化の過程には様々な批判も有り、我々はこのDSM-5を日本に導入し普及させていくべきなのかどうか、DSM-5は十分価値のあるものなのかどうかの検討をしなくてはなりません。我々は本学術集会において、この点いついて検討したいと考えています。
 臨床場面で生じる誤診という事象にも検討を加える必要があります。特に日本国内では発達障害や認知症と言った回復が難しい病態の過剰診断が目立つようになっています。近頃では「新型うつ病」という概念が、精神科診断学的検討が十分なされぬまま、メディアに大きく取り上げられ話題となっています。適切な治療が何であるのかを判断するのが診断であるなら、治療がうまくいかなかった時には診断が適切であったのかを検討するのは当然のことですが、回復が難しい病態であると安易な判断や、診断に関わる議論を避ける傾向にあります。我々は誤診をテーマに挙げ、精神科診断学的検討を行います。
 精神病未治療期間が諸外国に比べて著明に長い日本に於いて、早期診断は重要なテーマです。受診につながった患者をできるだけ速やかに適切な治療に誘導する必要があります。しかし、早期診断は症状が乏しい中で行われるため、誤診も隣り合わせとならざるを得ません。どのように早期診断に取り組んでいくのかについても我々は検討を加えたいと思っています。

 最後に、11月に本学術集会は開催されますが、その半年前の5月にはDSM-5が出版されているでしょう。この記念すべき年の大会に是非参加して頂き、活発な討議をしていただけることを期待しています。

第33回日本精神科診断学会学術集会 
会長 山田 尚登 
(滋賀医科大学精神医学講座 教授)

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