第62回日本小児神経学会学術集会[The 62nd Annual Meeting of the Japanese Society of Child Neurology]

会長挨拶

顔写真

第62回日本小児神経学会学術集会

会長 佐々木征行

国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科

4月に、第62回日本小児神経学会学術集会は5月27日(水)~30日(土)新潟開催から8月17日(月)~20日(木)幕張開催に延期および会場変更させていただきました。しかしながら新型コロナウイルスの感染状況につきましては、感染拡大を受けて4月に緊急事態宣言が国より発出され、ようやく5月半ば以降に徐々に解除され始めました。それでも今後の感染拡大あるいは収束の状況を正確に見通すことは非常に困難な現状です。

このような状況下で8月に本学術集会を安全に通常開催することは困難を極めると判断しました。現状を鑑みまして第62回日本小児神経学会学術集会は、会場開催を行わずWEB開催だけで実施することと決断いたしました。

さて、今回の学術集会のテーマは「理(ことわり)を知り病(やまい)を癒す」としました。

近年分子生物学的研究により、多くの小児神経疾患で原因遺伝子が確定し病態生理が解明されました。さらに次世代シークエンサーの導入により新たな原因遺伝子が続々見出されています。また画像解析技術の進歩により中枢神経系の異常部位を直接確認できるようになりました。次々に疾患の真理が解き明かされています。

そして現在は多くの疾患において原因理解に基づく治療がなされています。例えば、てんかんの新規抗てんかん薬治療、発達障害の薬物療法、急性脳炎/脳症の治療、結節性硬化症の治療などなど、治療の進歩には著しいものがあります。特筆すべきは、遺伝子組み換え技術を応用した欠損酵素補充療法(リソゾーム病)、アンチセンスによる遺伝子動作調節により完全長の蛋白補充療法(脊髄性筋萎縮症)、エクソンスキッピング作用を有する核酸治療薬を使った特定蛋白産生治療(Duchenne型筋ジストロフィー)、そしてウイルスベクターを用いた遺伝子治療(AADC欠損症、脊髄性筋萎縮症)ができるようになったことなどです。

多くの専門家に様々な疾患の病態研究や治療研究の状況や成果を解説・討議してもらう予定です。

期日変更および会場開催からWeb開催に変更せざるを得なかったことにつきまして、参加者および関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご不便をおかけしますことを重ねてお詫び申しあげます。先行きが不透明な状況ではありますが、情勢に応じて適切な対応と準備を行うよう最善の努力をしてまいりますので、ご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

皆様のご健勝をお祈りするとともに、新型コロナウイルス感染症問題が1日でも早く収束して、本学術集会が安心して開催されますことを切に願っております。

2020年5月20日