日本医療マネジメント学会 第17回九州・山口連合大会

会長挨拶

平野明喜

日本医療マネジメント学会 第17回九州・山口連合大会

会長 平野 明喜

(日本赤十字社長崎原爆病院 院長)

この度、第17回日本医療マネジメント学会九州・山口連合大会を平成30年12月7日・8日の2日にわたり、長崎ブリックホールで開催させていただくことになりました。

今回は長崎ということでテーマを「明日を拓く―近代医学発祥の地・長崎からー」と致しました。また、日本赤十字社も九州が発祥でありますので、教育講演でこれらの歴史についてお話しいただきます。また、特別講演として手術部位感染症の予防対策を名古屋大学の八木哲也教授に、医療データの活用を産業医大の松田晋哉教授にお願いしております。シンポジウムでは院内で最近増加傾向にある患者側からのハラスメント対策、医療と福祉の連携のあり方、今後の在宅看護と看護教育について討論していただく予定です。

我が国では団塊の世代が後期高齢者へ移行する2025年もいよいよ目前に迫り、すでに救急車で搬送される患者のほとんどが高齢者となり、急性期病棟であっても認知症などの多くの合併症を有する高齢患者が大多数を占めるようになっています。社会的には核家族化が進行していて、在宅での治療継続には環境整備に多くの支援を必要としています。他方、国は増大する医療費を抑制するために様々な制約を課してきています。また、過労死を発端とした働き方改革では医療職も特別な職種ではないという考えから、病院は一般労働者と同じ労務環境を迅速に整えるように迫られております。さらに、国全体の少子化傾向とは異なり女性数が圧倒的に優位な医療現場では出産・育児休暇の対象者は年々増加傾向にあります。このように医療現場では医療の安全と質の向上を求めながらも、同時に労務軽減をはかり、なおかつ医療費抑制の中でも収益を上げねばならないという厳しい状況にあります。そのためには進化論ではありませんが、時代と環境に合わせて病院も何らかの変革を遂げなければ生き残れないのかもしれません。

現代以上に急激な社会変化が起こった幕末・明治維新に先達がどのように対処したのかに思いを馳せながら、本連合大会での討議内容がこれからの病院の運営にすこしでもお役に立てること期待します。また、長崎は海の幸や異国文化を取り入れた料理などが楽しめますので、連合大会後も含めて師走の長崎での数日をご堪能されることを願っております。