ご挨拶

山本 仁

第52回日本てんかん学会学術集会
会長 山本 仁
聖マリアンナ医科大学小児科学 教授

第52回日本てんかん学会学術集会を平成30 (2018) 年10月25日(木)~27日(土)の3日間、パシフィコ横浜会議センター(みなとみらい)において開催させていただくこととなりました。神奈川県での開催は、平成10年の第32回大会より20年ぶりとなります。日本てんかん学会は、てんかんについて、多角的、専門的、集中的に研究討議することを目的として発足し、昭和42年の第1回日本てんかん研究会から始まり、昭和54年日本てんかん学会と名称を改めて以降、毎年1回の年次学術集会を開催し今回で52回目を数えます。毎回、国内外から多くの参加者を迎え、多職種での意見交換の場を提供するとともに日本の若手研究者の育成、アジアにおけるてんかん診療レベルの向上も目指しています。参加者は基礎医学者から、小児科、神経内科、精神神経科、脳神経外科の医師や多種の医療従事者にわたっています。

今回の大会テーマは『日本のてんかん、世界のてんかん、そして、てんかんの未来』(Epilepsy in Japan, Epilepsy in the world and Epilepsy in the future)といたしました。ご存知のように、てんかんはどの国においても人口の約1%が発症すると言われ、全世界で日々9,600人の新たな患者さんが出現するとされています。本邦でも一般的な病気にも拘わらず、有病者に対する差別や自動車運転免許取得についての法整備の遅れなども問題となっています。てんかん患者さんの予期せぬ突然死(SUDEP)は全世界で年間約6万人とも言われ海外でも大きな関心を集め、その病態解明は喫緊の課題です。

今大会のシンポジウムではてんかんの中でも重要な「年齢依存性の多彩な臨床像を持つてんかん」および最近話題の遺伝子診断、治療もテーマの一つとして取り上げます。また、新しいてんかん分類、てんかん外科治療の進歩、予後、運転免許を含む社会との関連、および未来のてんかんを取り巻く諸問題についても討議を行いたいと思います。そして、世界で活躍する日本のてんかん専門医の意見、各国のてんかん医療事情、てんかん専門クリニックや各地のてんかんセンターからの提言などにもフォーカスを当てて行きたいと思っています。また、初学者を対象とした「1日でてんかん全体が把握できるマラソンレクチャー」も企画したいと考えます。外国からは、新しいILAEのsecretary generalであるEdward Bertram先生(基礎神経生理学)およびJames Riviello先生(てんかん重積)、Jong Rho先生(ケトン食療法)をお招きしご講演いただく予定です。この学術集会を通して、日本のてんかん医療の世界の中での立場、そして未来における展望を語り合っていただければ幸いです。

開催地の横浜は、古いものと新しいものが程よく混じり合った伝統のある美しい都市であります。10月は気候も穏やかで過ごし易い季節です。多くの方にご参加いただき、横浜の新しい街並みや中華街などの異国情緒も楽しんでいただければと思います。

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